法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』本当にスゴイものからちょっと笑えるものまで神業SP

現在日本人で最多のギネス記録をもつというチェリー吉武がスタジオに登場。元体操のお兄さんを初め、ゲストキャラクターが失敗した挑戦を、見事に自分の記録更新というかたちで達成。


「エベレスト・レスキュー」
は、登山者の救助に向かうヘリコプター隊に密着。高峰ゆえに空気が薄く、ヘリコプターの揚力ははたらかないし、パイロットは酸素が足りなければ補給のためのチューブを鼻にさしこむ。
そんな環境で吹雪によってテントに飛ばされた20人ほどの登山隊の捜索から発見、救助までの模様をていねいに映す。機体の各所や隊員にカメラをつけて*1、迫真のディテールで見せていく。
いつものような情報を圧縮して説明するドキュメンタリーと違って、光景そのものを見せていくドキュメンタリーだが、これはこれで興味深かった。
「筋肉自慢「ストロングマン」になりたい青年」は、ひっこみ思案だが見世物小屋の怪力男にあこがれて鉄を曲げることを好むようになった青年に密着。
登場する師匠や伝説の怪力男が、ちゃんと客の視線を考えてパフォーマンスに徹しているのに、青年は鉄を曲げることを最優先して客に背を向け、せっかく曲げた鉄を皆に見せつけることもしない。客よりも鉄に向きあいたいと語る青年の姿がおかしいが、ちょっとオタク気質なところに親近感がわくし、ある意味では求道者のようでもある。
すたれつつある怪力男「ストロングマン」の興行だが、それが珍しく集結するイベントが青年の初興行。怪力を見せつけていく他のストロングマンと違って、客に応援されながら鉄曲げに挑戦するというスタイルは、なるほど個性的だし青年の性格に合っていた。
「死の危険を伴う顔面移植手術」は、銃の誤射で顔下半分を吹き飛ばしてしまった老人に、カナダの天才外科医が顔面移植手術を提案する。
数年前にもほとんど同じシチュエーションの顔面移植手術を紹介していたが*2、先端技術をただ賞揚するだけの前回と違って、拒否反応のリスクなどもていねいに説明。中心となる外科医は顔面移植手術の終盤に別の手術を求められて別の場所へ3時間行ったりと、かなりの凄腕でありつつもマッドな印象はまったくなく、患者の意思を最優先しようとする。
30時間以上におよぶ手術室でのさまざまな判断も見せて、患者が生活を回復していく後日の姿を見せて終わり。手術の物珍しさにたよらず、医術ではなく医療をあつかったドキュメンタリーという感じの地味な良さがあった。

*1:終盤の救助で機体を軽くするために窓や座席を外した描写から考えても、かなり小型のカメラだろう。

*2:『世界まる見え!テレビ特捜部』こんなスゴイことやってたのか! 世界のプロフェッショナルSP! - 法華狼の日記