不思議な影の存在に気づいた長老が、苺山に移動して花火をあげる。それは街に戻ってきていた妖精たちを集める合図だった……
座古明史演出回。フィリピン作画回だが、デフォルメ表情や逆光、描線の変化といった工夫で楽しい画面をつくっていた。上半身が森から飛び出た巨大イルの、怪獣のごときサイズ表現も良好。
物語の本筋としては、妖精集合でキラ星シエルも呼びだして、その正体をプリキュアたちに知らせるという展開。街まで妖精を戻す手段として、以前に浄化されたガミーたちが奮闘している背景が描かれたことは良かった。こういう過去のキャラクターを忘れず活躍させる細やかさは好ましい。
メインの正体開示については、もう少し引っぱって葛藤を描いたりしても楽しかったと思うが、ビブリーが乱入することで期待より簡単に流されてしまったことが残念。弟子入り志願で人間時との関係の逆転を描いたりと、やってほしい描写はほぼ入ってはいたのだが……そもそも今回はジュリオとの決戦にいたる前編でしかなかった。
