3年生の卒業で活動終了を決定していたμ’sだが、それを知らない周囲から依頼が舞いこんでくる。
最後の1ヶ月間としてボーナストラックのようなライブをつづけるμ’sは、今後の展開に悩むが……
2014年の2期で終了したTVアニメ『ラブライブ!』の、2015年に劇場公開された後日談。大半のスタッフはTV版から継続。
ラブライブ!Official Web Site | 『ラブライブ!The School Idol Movie』ストーリー
これまで鑑賞する機会がなかったが*1、Eテレで地上波放映されたので、それを視聴した。
「ラブライブ!」劇場版アニメーションを地上波初放送! | 注目!情報 | NHKアニメワールド
上映時間が1時間42分で、放映時間が1時間40分枠だから、数分間は短縮されているはず。それでもわずかだし、CMで寸断されないのはありがたかった。
とりあえず、映像としては劇場に耐えらそうなくらいに安定していたし、ライブもモブもよく動かしていたが、もともと良かったTVアニメからの大きな飛躍までは感じにくかった。
粗さが魅力にもなるTVアニメにおいては個性だった手描き作画と3DCGが混在するライブも、ひとつながりの劇場作品としてはノイズが強すぎるように感じた。ニューヨークらしき都市を3DCGで舞台化した海外ライブと、エンディングに入る時の手描き中心のライブが、それぞれ表現の特性を活かしていて良かったから、どちらかに全体を統一してほしかった。
だからアニメとしては手描き中心のミュージカル演出が魅力的だったが、これも開始20分くらいで唐突に入れるよりは開始直後にいったん見せて、作品の方向性を観客に理解させてほしかった気持ちはある。
物語は、あいかわらず全か無かの両極しかない世界観は好みではないが、終わることへの不安と覚悟をとらえていて、悪くなかったと思う。
卒業を前にした不安感を基盤にしつつ、イベントのため外国に出かけて違う世界でも同じ楽しみがありうることから、変化することへの恐れが消えていく。メインとなるひとりの大人との邂逅をとおして、子供が自分の未来図を受けとるという要素もおもしろい。
周囲をまきこむライブをクライマックスにもってきていることから、『ラブライブ!』を新たなキャラクターで再演した『ラブライブ!サンシャイン!!』の最終回が、この劇場版の再演であることも理解できた。
*1:音楽映画ベストテンを投票するインターネット企画があったが、食指が動かなかった。音楽映画ベストテン〜アニメ限定〜 - 法華狼の日記