法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『SHOW BY ROCK!!』#01. Have a nice MUSIC!!

サンリオのキャラクタープロジェクトの一環としてつくられたTVアニメ。制作はボンズで、監督は池添隆博
TVアニメ「SHOW BY ROCK!!」
平凡な少女が音楽世界でマスコットキャラに変身し、バンドの一員になるという導入は『プリパラ』のよう。獣耳の美少女と美少年のビジュアルは『ユリ熊嵐』のよう。しかしそれぞれの作品ほどには尖っていない。
21世紀のサンリオのTVアニメに見られる凄み、あえて呼ぶならクレイジーサンリオアニメとでもいうべき作品群に比べると、むしろ丸まった印象がある。


作画のていねいさと、ストーリーの順当さ、媚びすぎない少女の可愛さ、どれもボンズ制作のアニメらしい手堅さ。それでいてボンズにしては圧倒的なアニメートや既存の価値観への反抗意識は弱い。
独特なのは、3DCGの使い道。サンジゲンのように手描きセル画に合わせるのではなく、IKIF+のように全体の質感に合わせるのでもなく、背景動画のように美術素材をはりこむのでもない。最近のアニメでは珍しく、艶消ししたキャラクターを、実写のVFXのように被写体だけピントを合わせたかのように描画する。
マスコット状態の画像は、CGを制作しているStudioGOONEYSのサイトに掲載されていた。
TVアニメ「SHOW BY ROCK!!」 | StudioGOONEYS

StudioGOONEYSも参加していた『ラブライブ!』のように手描きとCGを混在させるのとも*1、『プリティーリズム』や『プリパラ』のようにライブ表現に特化したCGを用いるのとも違う。
頭身の低いマスコット時に質感をリアルにするという逆転が面白いし、『プリパラ』がストーリーテリングで表現していることをビジュアルで成立させようとする意気込みも感じる。