8月になってから各紙が報じているが、発覚したのは参院選公示直後の6月23日のことだという。
大分県警別府署:隠しカメラ、「民進党」関連建物敷地内に - 毎日新聞
連合大分の東部地域協議会や別府地区平和運動センターなどが入居しており、参院選の際には大分選挙区で立候補した民進党現職の足立信也氏(59)や、比例代表に出馬した社民党の吉田忠智党首(60)の支援拠点になっていた。
http://www.asahi.com/articles/ASJ833DW0J83TIPE004.html
連合大分によると、この建物は参院選で選挙運動の拠点にしていた。同23日に草刈りをした後、建物の関係者がカメラを発見。労組側がカメラのSDカードの内容を確認したところ、建物に出入りする人たちが映っていた。署に相談したところ、署が設置したことを認めたという。
少し前、イスラム教徒への警察監視が、発覚の原因となった情報流出こそ過失として認められたものの、最高裁で合憲と判断されたことがある。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12491207.html
1980年代には神奈川県警による日本共産党への盗聴が明らかになり、裁判で国家賠償されたこともある。
自由法曹団への招待
重要な事実は、審理の過程で各県警警備部公安一課に、革新政党や労働組合を対象とした情報収集の専門部署として「4 係」や「サクラ」と呼ばれる盗聴、盗撮、住居侵入、スパイ養成など特殊な秘密工作部隊が存在しており、警察庁警備局の4 係部門と直結していることが浮き彫りにされたことである。
今回の労組に対しては県警も建造物侵入罪にあたる可能性があるとして調査しているとのことだが、盗撮そのものを反省する発言は報道に見当たらない。
ふと、最近に社会学者の開沼博氏が語っていたことを思い出す。原子力政策についてが本題だが、日本の社会全般のこととして語っていた。
http://wpb.shueisha.co.jp/2012/07/19/12732/
まず理解しておくべきなのは、現代の日本の社会システムは精密機械のように複雑だということ。もっとシンプルなシステムなら、比較的容易に原発の代替手段を見つけられたでしょう。
しかし、今の社会はシステムからひとつ部品を外せば、多くの人の生活と生命にその悪影響が出るようにできている。もちろん原発にしても然り、です。そのなかで現実的に何ができるか、時間をかけて議論していくしかない。
政治的主張に福島を利用するな 地元分断するメディア 「はじめての福島学」著者・立命館大准教授開沼博氏語る - 産経ニュース
事実を切り出す際に重要なのは、課題解決や教訓を残すために、重要な事実であるかです。その対にあるのが、とにかく責任追及という姿勢です。
政府や企業が悪いか否かといったことは、政治的な議論になり、不健全な状態をつくります。
むしろ「事実」が明らかになっても責任を追及できなかったのが日本の社会だ。それでも権力者の責任を追及することが「不健全」ならば、国民ができることとは何だろう。
市民が権力を監視するのが民主国家であり、権力が市民を監視するのが警察国家とするならば、「現代の日本の社会システム」が後者であることを社会学者*1は健全と考えるのだろうか。