法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜THE LAST SONG』第19話 推参なり鐵假面

南極の氷から発見された獣人少女。彼女こそ、江戸時代の活躍が今も語りつがれる超人、鐵假面剱士だった。
超人を利用しようとする帝告は、立花繁首相と組んで、人吉爾朗を倒すべき悪だと鐵假面剱士に教えこむ。


前回*1と同じく、會川昇脚本回にしてはシンプルなエピソード。江戸時代の昔話というクッションをはさんで、正義の少女と悪の裏切者の許されざる恋愛をストレートに描く。
そんなステロタイプな、しかしそれゆえ葛藤せざるをえないことが明確な体験をした鐵假面剱士だからこそ、善悪がわかりやすくわかれていた過去への郷愁を否定し、倒すべき悪のいない世界への見聞を広めようと旅を再開する。
悪の裏切者という設定が、回想に出てくる少年の位置づけをミスディレクションしていたのも小技がきいていた。


ちょうど不思議な再評価がはじまっている田中角栄をモデルにしたとおぼしき首相の顛末を描いているタイミングもおもしろい。
ただ、田中角栄モデルであれば、超人能力で戦後ずっと首相だったという設定より、超人能力でいきなり首相までのぼりつめたという設定がそれらしい気もする。帝告のような広告代理店との結びつきを優先したから、独力で首相になったという設定は避けたということかな。