法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒season14』第10話 英雄〜罪深き者たち

超法規的措置で解放され、名前を隠して市井の住人となった本多篤人。東南アジアの反体制活動を助けて、新たな国籍と外交感特権を手にした鞘師九一郎。
極左グループ「赤いカナリア」と元暴力団組長が連携し、自友党の新会派をねらう爆破テロ事件のゆくえは……


恒例になった年始の2時間超の元日スペシャル。国のかたちに異議をとなえるため極左と極右が共鳴していくという構図に、かつて改革派に敗れて焼身自殺した政治家の因縁がからみついていく。
謎解きより活劇を重視したドラマとしては、そこそこよくできていた。冒頭の新会派会見への爆破テロや、爆弾をつんで自走するクルーザーへ飛び移る場面、豪華客船内のテロなど、2時間ドラマとしては充分なアクション。
日本社会からはみだした者たちが暴力にすがっていく姿を、批判しつつ共感をこめていた語り口も悪くない。テロ対象となった政治家も、それなりの「覚悟」を自称どおりに発揮して、なかなかキャラクターが立っている。


ただいかんせん、派手な舞台を用意しているだけに、普通に収束して終わったので印象としては尻すぼみ。あえて対象を無人にした爆弾テロなのだから、それなりに成功してもテロリストへの共感はそがれないだろうし、VFXを使った大規模な破壊シーンくらいは見せてほしかった。
あと、シリーズを重ねて杉下右京が万能すぎる問題が今回も。たいていのバディ物は頭脳と肉体を役割分担するものだが、杉下はひとりで謎解きするだけでなく、東南アジアからつれてこられた凄腕の兵士に格闘戦で勝利してしまう。