革新系の都知事候補の自宅にふたつの荷物がとどいた。差出人の名前は「杉下右京」と「インビジブル」。そしてその荷物が爆弾とつげる電話があり、住人が逃げたところで実際に爆発した。
事件の関係者とされた杉下は捜査から外されたが、いつものように独自行動をつづける。そのなかで、一年ほど前にチェスで対戦した天才少年と再会するが……
前半の時点でスタッフクレジットが流れて予想できたが、今回は前後編の前編だった。内容は古典的な天才犯罪者と名探偵の劇場型事件をめぐる対決で、前編の範囲では特に新味もない。
派手な爆破が二度もあったが見せ場としては弱い。合成の露骨なVFXなので刑事ドラマとして必要最低限の描写でしかない。爆弾や武器を製造する場面が古典的ながら雰囲気あったが、天才少年の犯人像は今のところ古典的なパターンを一歩も出ない。あっさり自白しに出頭する結末も、アクションなどのサービス描写はない。
おそらく後編の展開や事件の真相にかかわるだろう革新系候補と息子の若手署長の描写は少し期待させたが、今回はそれぞれの異なる側面を見せて人物像を深めるような描写はなく、パターン的なキャラクターにとどまった。
一応は後編に期待したいが、この前編のつくりからすると2時間枠で連続放映したほうが良い気がする。