法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『神撃のバハムート GENESIS』episode03 Fog of Nebelville

今回の物語は、ダブル主人公の一方が霧に包まれた街に迷いこむ前半から、隠されていた真相まで、どこかで見たような展開と設定ばかり。シリーズ構成がツイッタースティーヴン・キングに言及したり*1、よくある状況設定であることは自覚的なのだろう。むしろオーソドックスだからこそ、ダブル主人公のもう一方が真相を理解して行動することで、物語をテンポ良く進めることに成功した。
王道な物語の落としどころも美しい。かつての栄光を失った愚かな青年なりの矜持を、素直に力強く描いていた。


ちょっと絵柄に癖があると思ったら、DRムービーが制作協力しており、作画監督から原画まで全て韓国アニメーターでしめられていた。
しかし日本国内の総作画監督や演出が手を入れているのだとしても、充分に映像の質が高い。マッドハウスに協力する時のDRムービーは質が安定しているから、その流れをくむMAPPAへの協力でも良い仕事をしたということか。キャラクターデザインがリアル調だから、デフォルメ文化の違いが画面にあらわれにくいのもあるだろう。


それにしても「やっぱり『スペース☆ダンディ』じゃないか!」と思ってしまうくらいネタがかぶっていた。
いや、オーソドックスなネタを無節操にとりこむ作品だったから、どこかでネタかぶりするのは当然だ。その上で、アレがあふれかえる生々しい情景を、よく動く手描き作画で見せるTVアニメが、1年以内に二つも出てくるとは思わなかった。

*1:https://twitter.com/dinahasegawa/status/523953655905394690他に思い出される同種の作品として、敵能力の応用としてエピソードのサブにおいた『ジョジョの奇妙な冒険』や、オーソドックスな真相からさらに踏みこんだ『新暗行御史』といった漫画作品がある。