法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『名探偵プリキュア!』第14話 ポチタン、はじめてのおでかけ!

 明智と小林が登校し、バッグに見せかけているポチタンを生徒会長に注意される。そのため後日にポチタンを探偵事務所に残して登校した時、ロンドンからキュアアルカナ・シャドウについての返事がとどいた。ジェットが客の対応に行っている間、ポチタンは返事の手紙をもって学校に行こうとしてしまう……


 成田良美脚本で、規則に厳しくも生徒への奉仕を重視する生徒会長と、ひとりで移動していたポチタンの出会いを描く。
 表で厳しい生徒会長が裏では優しいという類型ではなく、表でも裏でも他者に奉仕して対立を調整しているところが興味深い。思えばポチタンより先に明智と小林に注意した理由は、校門でたちどまって他の生徒の通行のさまたげになっているためだった。権力をもって自由を規制する根拠は他の自由と衝突する場合であるべきことを思えば、現代的な魅力のあるキャラクターといえる。その意味では、ポチタンをもちこませない理由は、もう少し説得的に描いてほしかったかな*1
 ゲストキャラクターをピックアップしつつ会話のほとんどできないレギュラーキャラクターの小さな冒険を描いて、同時並行でキュアアルカナ・シャドウの謎をめぐって戦いや駆け引きをおこないつつ次回に引く。多くの要素をわかりやすくさばいて、飽きさせる場面がない。
 ただ今回のミステリ要素は、ポチタンを明智と小林がアイテムをつかってさがすところと、手紙をとりちがえていたというサスペンスの類型があるだけ。すでに第4話*2でとりちがえをミステリ展開の基盤にすえていたので、もう少し工夫してほしかった。逆に、ここで工夫していないことから、今回は村山功脚本ではないだろうと予想して当てることができたが。


 絵コンテは佐々木憲世で、作画監督は松浦仁美。原画に板岡錦など。戦闘では過去になくキュアアルカナ・シャドウが複雑な殺陣をする。ただ超常的な能力で変身した姿とはいえ、動きに体重がのっていなくて重心がはっきりしない作画だったことは残念だった。
 作画は全体的にアクションよりも日常に力を入れていた。顔面の修正がいきとどいていて絵柄の変化が少なく、読み聞かせにつかう本のイラストもしっかり描きおこしている。


 そして、戦闘で最後にキュアアンサーがソード型の新必殺技を披露したことには驚いた*3
 このシリーズでは剣の形状をした武器はさけられてきた。必殺技に使用した『es!プリキュア5GoGo!』は特殊攻撃を発動する魔法の杖のような位置づけで、剣としてつかったのは劇場版のみ。サブタイトルで「ソード」をつかった『HUGっと!プリキュア』第11話*4は、敵への攻撃に武器をつかわないことを選択し、アイテムを剣の形状から変えた。
 今回のように敵を切る動作をくみこんだ必殺技にソード型にしたアイテムをつかうとなると、ひとつのラインをこえた感じがある。これも今作が対象年齢をあげようとする試みの一環なのか。

*1:一応、申請書がとおればもちこめると説明されたが、そうした許可制になった理由の経緯がほしいところ。あるいは、以前は全面禁止だったが、生徒会長が交渉して許可制までもっていった、という話をするとか。尺の余裕がないか。

*2:『名探偵プリキュア!』第4話 ドキドキ!初めての依頼! - 法華狼の日記

*3:視聴者が話題にしている情報を、録画を視聴する前に見てしまったが。

*4:『HUGっと!プリキュア』第11話 私がなりたいプリキュア!響け!メロディーソード! - 法華狼の日記