ロンドンからの手紙は、森亜の致命的な秘密につながるものではなかった。しかし天才探偵として活躍していて事務所に入ったという情報と、当時の写真にもとづきながら、明智たちはマコトジュエルが砕けた湖へ行く。
その湖で奇妙な紙切れをひろった明智たちは、かつて事件で出会った写真家の宇都見将太が、カメラが行方不明になった言って困っている姿を見かける。すぐに真相を推理した明智と小林だが……
今回も村山功シリーズ構成の脚本。森亜の正体や真意やマコトジュエルをさぐる縦軸の謎解きを進めつつ、その展開を構成する部品として怪盗団による事件と解決の作品フォーマット展開を挿入する。
村山脚本回らしくミステリの勘所は押さえているが、事件をめぐる登場人物が少なすぎ、その行動の不自然さをあらわす描写も長すぎて、残念ながら真相は見えすいていた。トリック自体も古典的*1で、さまざまな探偵漫画にアレンジされつつ借用されてきたものだ。たとえば第1話の宇都見だけでなく、他の回に登場した容疑者キャラクターも湖で散歩していたりすれば、素直にどの容疑者が犯人なのか悩ませたうえで、被害者こそが怪盗団の変装だったという真相で驚かせたと思うのだが。
一方で森亜の謎めいた雰囲気づくりは演出こみで悪くない。過去の写真の今とは違う笑顔や、マコトジュエルが砕けた場面の全体を見せないコンテ*2など、いつもよりシリアスな空気がただよっている。それでいて問題をかわせば余裕が生まれてアイスを食べるという息抜き描写が笑える。
奇妙な紙切れも、当時の知識をもっている大人や、義務教育で習う子供くらいなら真相に気づくことは難しくないが、当時の子供の小林や現代の子供の明智はちょうど知らなくてもおかしくなさそう。今回の事件で犯人だったアゲセーヌの口走った台詞が、伏線として効果をあげていたところも感心した。