法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラゴンボールZ とびっきりの最強対最強』

 他星への侵略を軽々とすませた者たちが宇宙にいた。一方、ナメック星の戦いを終えて地球に帰った孫悟空は、悟飯やクリリンたちと少人数で山奥のキャンプをおこなっていた。
 そこに少数の敵があらわれて、クリリンたちは圧倒されるが、悟空は互角の戦いをくりひろげる。しかしナメック星で倒したフリーザによく似たクウラの攻撃で悟空も傷つき......


 1991年に公開されたシリーズ劇場版8作目。東映アニメフェアの1作品として上映された1時間に満たない中編。監督の橋本光夫は初監督作品の前作から今作もふくめて、しばらくシリーズ劇場版をまかされることになる。

 内容は原作の悟空対フリーザ戦の縮小再生産というか、より強い敵という設定にして同じ展開をやっただけではある。その強さも三段変身するフリーザより一段階多く変身できる兄クウラという工夫のないもの。最終変身の姿もマスクで口元が隠れるデザインは工夫されているが、方向性はフリーザの第一の変身と大差ない。
 そもそも復讐のため地球ごと悟空を消しにきたというわりには情景にスケール感がない。キャンプに来たという設定で登場人物がきわめて少なく、戦う場所も森林や破壊後の荒野や青空など背景美術の手間がかからない情景ばかり。
 とはいえ、長期連載中にアニメ化したため尺が余って間延びしていたTV版と比べて、凝縮しただけ娯楽として見やすくはなっている。原画に中村豊がいたりして、本編以上の強敵があらわれたというシチュエーションなりのアクションは展開される。特にピッコロの腕がのびるギミックを珍しく活用する、滑らかでいてバタバタした手の動きなどは目を引いた。クウラを倒す描写のバカバカしいスケール感と、ちょっとシャレたオチも悪くない。