法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『白石晃士の決して送ってこないで下さい』

 ホラー映画監督、白石晃士のもとには、さまざまな不可思議な映像が送りつけられてくるという。今回は若い男女が胸元にカメラをつけて廃墟を探索する映像などが送られてきた。男が女をからかいながら撮影する映像からは、不可解な影が映りこんでいくが……


 2023年の日本映画。男優にYOUTUBERを起用し、白石晃士監督が構成や演出を手がけた、1時間半に満たないフェイクドキュメンタリーホラー。

 2024年にプライムビデオで会員向け見放題に2分割された配信版*1で視聴した。

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 白石監督が本人役で語り部をつとめる形式のモキュメンタリーで、いつもように低予算。
 機材や編集ソフトの進歩のおかげか影のVFXなどは昔よりも自然だが平面的なままだし、映像にオーバーラップする合成は安っぽい。作中映像パートも、基本的には少人数で森のなかの廃墟をうろつくだけ。作中映像は典型的なPOVから固定カメラで映したものもあれば、2でインタビューパートもあったり、多種多様で最低限の刺激はあるものの、真相ははっきりしない。見ていれば恐怖の関連が何となく想像できるつくりだが。
 しかし、恐怖の中心は怪奇現象よりも、男の女に対する多種多様なハラスメントにある。孤立した森のなかという状況は、開放されつつも閉塞感があり、誰にも助けをもとめることができない圧迫感がすさまじい。むしろホラーらしい超常の存在が登場する場面こそフィクションらしくなって安心感があったし、1の結末の惨劇には爽快感すらあった。
 山岳ベース事件や北九州監禁殺人事件や尼崎死体遺棄事件のような閉鎖環境における惨劇を超常現象抜きで白石監督が映画化したら傑作になるかもしれない……などと見ていて思った。

*1:はてなブログのリンクがうまく表示されない。ここ最近は同じようにリンクはできてもタイトルやサムネイルが生成されないことが多いが、理由がよくわからない。