2026年に放送されたTVアニメSP。ゲームの後日談として2021年に書かれた小説を前後編でアニメ化した。
ゲームを1クールで映像化した2024年のTVアニメは、農業のディテールがくわしいと聞いていたコンテンツでありながら、予想外にアクション色が強くて、きちんと謎も解かれなかった。
『天穂のサクナヒメ』雑多な感想 - 法華狼の日記
一方、ほとんど同じスタッフで、交代したのは脚本の小柳啓伍くらいなのに、今回のTVSPは2024年に予想し期待した内容を存分に楽しめた。
すでにサクナヒメの仲間が集まった状態で、その知恵や労力をところどころ借りながらも、ココロワという少女の神単独での奮闘をとおして稲作の最初から最後までの苦労と達成を見せていく。
ココロワは知識だけで稲作をおこなおうとするための失敗も当然あれば、得意な機械技術をつかってサクナヒメたちよりもうまく稲作をおこなう局面もあって、前半は地味な農作業がつづくのに鬱屈しすぎず単調にならない。
前半の終わりの不穏な描写が後半のクライマックスで怪物とのアクションにつながるが、その怪物は害虫の誇張であって、あくまで農業に被害をもたらす位置づけなので、ココロワの稲作というストーリーの目的がぶれない。その怪物の発生した経緯にはココロワの行動に原因がありつつ、仕事に責任をもっていたからこそ起きた状況であり、サクナヒメがけしてココロワを責めないところも良かった。
ココロワが稲作をおこなう動機として小説の取材という枠組みをつかって、サクナヒメへの友愛にはじまる物語が、さらに愛を深めておわることで、成長と変化のドラマとしても成立している。人間関係の伏線がきいて百合アニメのような味わいもあるし、小さな謎が解かれることで物語が完結した雰囲気も出ている。
