法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『戦姫絶唱シンフォギアG』EPISODE1 ガングニールの少女

主要登場人物も継続する正統な続編だが、原作脚本を除いてメインスタッフが一新。
あいかわらず台詞回しは珍妙だし、やはり歌いながら戦うし、内通者の正体は見え見えだし、ライブとアクションに作画リソースをふりわけすぎで歪。
しかし前作がひどく粗っぽい作りだったため、これでもずいぶんまともに見えてしまう。キャラクターデザインのデフォルメ具合や変身シークエンスが統一され、背景美術も描きこまれて薄っぺらくなくなった。
それでいて、作りの粗さを逆手にとって世界観を成立させているところは、前作の個性を残している。たとえば台詞回しが不思議なおかげで、露骨な説明台詞でも説明臭く感じない。


ただ、別エントリのコメント欄で教えていただいたのだが、公式サイトの「世界情勢」解説を読んで、困ってしまった。
現在の世界情勢 - 用語解説 - TVアニメ「戦姫絶唱シンフォギアG」公式サイト

運用によっては絶大な破壊力を発揮するシンフォギアの扱いを巡り、
特定アジア諸国からの非難をかわすことは困難を極め、
また国内の野党連合や市民団体を中心に高まる「憲法違反」の大合唱をかわすため、
日本政府は、米国からの提案を受け入れ、
国際的平和活用を大々的にアピールするように舵を取り始める。

一応、この種の設定は考証スタッフが後づけしていることが多く、時にはサイト制作者の裁量で書かれることすらあるらしい。実際、TVアニメの作中で上記のような背景があるとはうかがえず、せいぜい在日米軍と協力しているだけ。
とはいえ、このような世界観がリアルな説明になると考えるスタッフが制作側にいることは、それはそれで悩ましいことは確かだ。
初代でも政治情勢の粗雑なあつかいが気にかかってはいたのだが、作中で描かれる出来事は米軍の暗躍といった古典的な構図にとどまっており、ここまで気になるほどではなかった。