法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

2015年夏TVアニメ各作品の序盤について簡単な感想

まだ第1話しか見ていないものから、第3話くらいまで確認しているものまで。

アイドルマスター シンデレラガールズ

分割2クールの第1話で、話数表記は第14話。1期の第1話とは一転して、次々に新キャラクターを出してアイドル仕事とは関係ない茶番劇を描く。結末との落差のための息抜きではあろうが、キャラクターアニメとしての面白味だけだった。
TVアニメ「アイドルマスターシンデレラガールズ」オフィシャルサイト

アクエリオンLOGOS』

無根拠な確信に満ちすぎた主人公像は古典的となった感があるが、その主人公の能力を前半で描いたり、その無根拠ゆえ後半で押しとどめられたり、きちんと過程をふんでキャラクターをつくっている。そのうえで意外な展開をロボットギミックと密接に見せ、主人公の特異性を説得的に描けた。
アクエリオンロゴス 公式サイト

ウルトラマンX』

『新ウルトラマン列伝』内で放送されるシリーズ。ミニチュアの楽しさと、構図のおもしろさ、ていねいに人間を合成して生みだされるリアリティと、とにかく田口清隆監督の特撮はすばらしかった。
http://m-78.jp/x/

オーバーロード

仮想ゲームにとらわれるベタな発端だが、状況に追い立てられるのではなく、強者として俯瞰するのでもなく、まずは狭い範囲から手さぐりしていくので見やすい。おかげで説明的な台詞が少なく、粗も目立たない。主人公のまわりはNPCしかいないため、ゲームキャラを演じざるをえない難しさと、信奉されるほど孤独感が増すことが、同種の作品にくらべて面白い構図。
TVアニメ「オーバーロードⅢ」オフィシャルサイト

おくさまが生徒会長!

規制する場面を隠すより、シーンごとさしかえたほうがマシだとわかる。少女漫画っぽさもあるし、性的サービスを売りにしているわりには見やすかった。
アニメ「おくさまが生徒会長!+!」公式サイト

がっこうぐらし!

どんでん返しを成立させるための映像的な伏線がていねいだから、ジャンルを知りつつ視聴しても楽しめる。そのジャンルにおいて、うっとうしく描かれがちな人物の視点で始まる珍しさも、視点人物の痛切な立場や、後輩の健気な描写を支えていて良い。
TVアニメ「がっこうぐらし!」公式サイト

ガッチャマン クラウズ インサイト

2期としてキャラクターを多く出しながら説明が少ない感じはあったが、新キャラクターの適度な凡庸さはいい。第1話にして絵コンテの人数が多いのは中村監督作品の通例とはいえ今後が不安。
ガッチャマン クラウズ インサイト|日本テレビ

Classroom☆Crisis

物語を進めながら設定や人物の説明をこなしているし、映像も高く安定している。娯楽として悪いところがないが、深められそうな部分をあっさり終わらせ、独自性まで薄まったのが残念。
アニメ「Classroom☆Crisis」オフィシャルサイト

ケイオスドラゴン 赤竜戦役

移動する描写がないまま多数の人物を出会わせているため、作品世界が地理的にせまく見える。主人公が条件付きで強くなるわけだが、その対価をしはらっただけの見返りある力をえたことは、もっと映像でわかりやすく表現してほしい。
http://chaosdragon.red/index.php

『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり

自衛隊の活躍が、心情も描かず一方的に短時間で終わってしまうから、ビジュアルのわりにアクションが淡白。自衛隊異世界にいく前準備として早々と終わらせたい意図ばかり感じられてしまう。
TVアニメ『 GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 』公式サイト

GOD EATER

2週にわたって特別番組を放映するという制作状況に驚いた。それだけ力をいれた第1話の映像はたしかに手間がかかっていたものの、静止画に特化したデザインをそのまま動かしただけで、アニメーションならではの効果を感じなかった。それに原作を知らない視聴者としては「神機」の特別さを描いてほしいが、それより主人公の未熟を優先してしまって、単なる先輩後輩の能力差しか印象に残らない。
ゴッドイーター TVアニメ公式サイト

『実は私は』

漫画の絵柄を再現しようとして癖を強調しすぎるパターンだが、第1話は作画がしっかりしていて悪くない。隠しごとのできない主人公に一貫性があって、それゆえ逆説的に周囲から信頼されているところも面白い。
TVアニメ『実は私は』公式サイト

Charlotte

ちょっとした超能力を完全に私利私欲のため主人公が活用する第1話は、能力の応用と失敗にバラエティがあって楽しいし、ダメなことをちゃんとダメと描いているから楽しめた。しかし2話になってシリアス描写が多くなると、ギャグ描写との整合性が気になるばかり。シリアスを構成する作品世界を守りながらギャグを展開することができないのか。
TVアニメ「Charlotte(シャーロット)」公式サイト

戦姫絶唱シンフォギアGX

3作目にして1作目のころにあった奇妙な間が完全に消えて、よくあるバトルアニメらしく動きのメリハリがついてきた。ただ第1話では名も無きモブも奮闘したのに、第2話から愚かなモブが死んでいくのは残念。キャラクターの死にストレスがたまらないよう愚かに描きすぎると、死ぬキャラクターは愚かなのだという作者の意図が感じられてしまう。
TVアニメ「戦姫絶唱シンフォギアGX」公式サイト

To LOVEる-とらぶる-ダークネス2nd

主人公が事故で女体に無理やり接触する描写が前面に出すぎて、増えすぎた女性キャラクターの個性はなくなり、SFコメディ要素は散漫に描かれるだけ。『かのこん』以来の大槻敦史監督作品らしい女体作画を見せ場にして、1期のころにあったアニメーションの楽しさが後退している。半裸ばかり見せようとして、やはりキャラクターごとの個性がうすまり、規制のため画面が見えにくくなっているのも悪印象。
To LOVEる.com

のんのんびより りぴーと

田舎の日常を描いたアニメの2期。物語のはじまりを新しく描くためにどうするのだろうと思っていたら、1期の第1話で主人公たちが出会うまでを描いたことに納得。人物や舞台の説明をしっかりこなせており、2期単独の第1話として成立しつつ、1期を知る人間にも新鮮味のある内容。
「劇場版 のんのんびより ばけーしょん」公式サイト

監獄学園(プリズンスクール)』

原作物なのに、良くも悪くも水島努監督らしい安定して暴力的で露悪的なギャグアニメ。原作の絵柄を再現しているらしいビジュアルも、不思議と過去作品との差異を感じない。
TVアニメ『監獄学園 プリズンスクール』公式サイト

モンスター娘のいる日常

下半身が人間と違うので邪魔な規制が入らず、キャラクターデザインがフェティッシュにすぎないから見やすく、エロティックコメディとしては安定感がある。ただ30分枠いっぱい使うだけの密度があったかは疑問。
TVアニメ『モンスター娘のいる日常』公式サイト

乱歩奇譚 Game of Laplace

岸誠二監督らしい映像リソースの省力化と、それでオリジナルミステリアニメとして成立しているのはいいが、刺激的にしようとする方向性が凡庸で結果的に刺激がない。第2話冒頭のように、社会観がワイドショーレベル。
アニメ「乱歩奇譚 Game of Laplace」公式サイト

六花の勇者

第2話の終盤にしてようやくミステリ要素が出てきたが、そこまでもファンタジーアニメとして充分によくて、ストーリーが遅いとは感じさせない。きちんと知恵比べアクションを映像化できているし、服飾や建築のデザインも欧風からずらしていて、冒険譚として楽しいものだった。
TVアニメ『六花の勇者』公式サイト

WORKING!!!

シリーズを3期もかさねて奇人変人しかいなくなり、ファミレス舞台という珍しさと面白さのつながりが少なくなりつづけている。松本麻耶の活躍を増やしなさい。
TVアニメーション「WORKING!!!」