法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

連続テレビ小説『虎に翼』に自民党参院議員の和田政宗氏が圧力をくわえた件をメモ


公共放送たるNHKが6月4日の「虎と翼」の冒頭ナレーションで、日本国の婚姻を規定する憲法24条1項の「両性の合意」を「双方の合意」と読み替えて放映したことは不正確であり視聴者に誤解を植え付ける恐れがあります
よってNHKに対して速やかな訂正と視聴者への謝罪を求めます
#NHK
#虎と翼
#訂正と謝罪

 日本政策研究センター研究部長の小坂実氏による上記ツイート*1を引用リツイートした下記ツイートで、NHKに質問をおくったと報告している。


6月4日放送NHK『虎に翼』


『この頃、戦前の民法を改正する作業が行われていました。
婚姻は「双方の合意」のみによって成立すること・・・を基本にして』
とのナレーションがあったが、
憲法24条は「両性の合意」であり、なぜ「双方の合意」としたのか、民法改正作業における具体的根拠をNHKに質問。


回答が来次第、皆様にお伝えする。
事実が無いなら相当問題だ。

 ドラマは民放の話をしているのに憲法の文言とは違うと主張して謝罪と訂正を要求していることも謎だが、ジャーナリストの津田大介氏が下記で指摘しているように圧力をかけたこと自体も問題だろう。


一般私人になった蓮舫候補の朝日新聞への質問状送付を「権力による言論弾圧」と息巻いていた表現の自由を大切にする言論人の皆さん、本件は「現役議員」による「公共放送」への度を越した「フィクションに対する内容面への介入」なので、これは数十倍のレベルで大騒ぎしてくれるんですよね!

 一応、蓮舫氏の圧力を批判して和田氏の圧力も批判するなら、一貫性などにおいては問題ではない。それと同時に、和田氏の圧力を批判して蓮舫氏の圧力は問題視しない線引きはありうるだろう。
 しかし蓮舫氏の圧力を批判して和田氏の圧力は問題ないという線引きは、表現の自由という観点からはありえまい。


 ちなみに和田氏は元NHKアナウンサーだが極端な保守派として古巣への圧力をかけたことは以前にもあり、朝日新聞に掲載された川柳をもって「新聞社をやめるべきだ」と主張したこともある。
半世紀前のNHKによる軍艦島ドキュメンタリ『緑なき島』について、あらゆる意味で問題はないと国会でNHK側が答弁していた - 法華狼の日記

他にも自民党和田政宗氏が質問した例などがある。元NHKアナウンサーだが、杉田氏らと同じく極端な保守派だ。

保守政治家に対する風刺表現と解釈されると、権力をもちいた弾圧の動きは軽視されるのだな、と思った - 法華狼の日記

ツイッターを検索すると、山田宏氏や和田政宗氏といった自民党の現職議員も他の時事川柳に反発している。それぞれ差別的な揶揄や廃刊の要求をおこなっており、表現の自由についての留意は確認できない。

 津田氏が芸術監督をつとめた「あいちトリエンナーレ2019」にも圧力をかける動きをしていた。問題視されたコーナー「表現の不自由展・その後」は公的に圧力をかけられたアートを特集したものだったが、和田氏はあらためて圧力をかけようとしたわけだ。


あいちトリエンナーレ
慰安婦像の展示が行われ、昭和天皇御真影を焼く映像展示があるとの情報が寄せられた。御真影を焼く映像展示は明日確認を取る。事実だとしたらとんでもないこと。あいちトリエンナーレ文化庁助成事業。
しっかりと情報確認を行い、適切な対応を取る
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190731-00034000-hankyoreh-kr

*1:現ポスト。