夏休みのため犬飼いろはは猫屋敷まゆたちを海にさそう。宿題はまだ終わっていないが、だからこそ自由研究を共同でおこなうために。すでに宿題を終えた兎山悟のアドバイスをもらいながらウミガメの産卵場所をさがすが……
赤尾でこ脚本、頂真司コンテ。マジックバスが制作協力しているためか、作画監督は7人と多い。ウミガメのガルガルとのバトル後半で、水飛沫を撮影効果なども駆使して描写しているあたりはアニメーションとして面白かった。
物語の本筋はあまりない。ゲストキャラクターではなくゲストアニマルで物語を動かすので、ウミガメについて描くシリアスパートをのぞいては、天衣無縫ないろはと恋愛脳なまゆのやりたい放題が加速していく。心の声にアテレコする描写そのものは珍しくないが、とにかく長すぎて笑った。昼間は海遊びで楽しんで、夜間の産卵には大人がたちあう描写もていねいで不要な引っかかりを作らない。
ウミガメは静岡県でも産卵するので、アニマルタウンで産卵してもギリギリおかしくはない。ただ、砂の温度が産卵にかかわるような豆知識を入れるなら、もう少し気候変動などの問題に言及しても良かったかも。無理やり挿入すると説教臭くなりがちではあるが、逆に現在の日本でウミガメをあつかう時に環境問題にまったく言及しないこともそれはそれで不自然ではないだろうか。
