法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『Go!プリンセスプリキュア』第21話 想いよ届け!プリンセスVSプリンセス!

ブラックプリンセスに変身したトワイライトと、救おうとするプリキュアたち。そして全てを受けいれて助けようとするカナタ王子。


見ていて「ハピネス反省会」というフレーズが脳裏をよぎった。
薄弱な根拠しかないのに確信している主人公の姿で、成田良美脚本っぽいと思ったら大当たり。根拠をていねいに積みあげようとしていないし*1、根拠がなくても確信すべきという思想でもない。
少女が暴れるというコンセプトの作品において、どれだけ主人公の対となる少年を活躍させられるか、しかも少女ふたりが衝突する物語を邪魔せずに……と考えていくと、『ハピネスチャージプリキュア!』第43話*2のセルフリメイクのよう。
ただ三角関係のバランスを良くしようとして、トワイライトのキャラクターが「ただの小娘」となって失われたのは残念。次回に語りなおすようではあるが、かりそめの洗脳による人格だったというのは、ちょっと簡単すぎるかな。


映像は、思っていたより省力気味。稲上晃作画監督だが、あまり修正がゆきとどいてなくて、上下差が激しかった。
ただ三塚雅人演出のリソースふりわけは見事。板岡錦アクション作画をクライマックスの見せ場にして、動かない場面ではデジタル撮影の拡大縮小を活用して広い空間をつくりだす。
特に結末の、のみこまれゆくカナタ王子の姿と、異世界から日常へと落下する主人公の姿は、映画的な味わいを感じた。

*1:たとえば、オルゴールのように心がない機械でも美しい音楽を奏でられるという反論や、その美しい音をを機械に奏でさせようとする考えこそが心だという再反論、そもそも心とは受け手の投影で形作られる……といった議論をへてから作中のような主張をおこなうとか。もちろん、この例示では尺を使いすぎるので、現実には違ったかたちになるだろうが。

*2:『ハピネスチャージプリキュア!』第43話 ぶつけあう想い!ラブリーとミラージュ! - 法華狼の日記