法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『わんだふるぷりきゅあ!』第26話 暑すぎてヤバい!

 いつものようにこむぎを散歩させるいろはだが、暑すぎる夏にへばってしまう。いつものように元気いっぱいにふるまうこむぎも、無自覚に暑さにやられていた。刺繍用の糸を買いに出かけていたまゆと、つきそいのユキも暑さにやられてしまい、合流した4人は悟の家にころがりこむことに……


 千葉美鈴脚本で、年々暑さが増していく日本の環境にあわせたペット事情を飼い主目線で描く。ガルガルは暑さに強いラクダで、うまく戦えないプリキュアと対比的に元気よく暴れまわる。
 全体として、良くも悪くもペットをどのように守るかという子供の視点に終始していた。兎山悟の家からして裕福そうな屋敷で、室内でウサギの巨大なケージもあり、毎日エアコンをつけて湿度も調節する。電気代や住居の余裕を考慮しなければならない大人の目線はない。ニコガーデンで散歩するという架空の解決策はメエメエが否定して採用されないように、それなりにペット事情に真面目にとりくんだ内容にはなっているが、想定する視聴者の年齢層をしぼったゆえの限界を感じる内容だった。ガルガルの卵が駐車場の熱い排気ガスのなかで孵化する描写を入れながら、二酸化炭素による地球温暖化への言及もまったくない。
 そこそこ子供の視点では真面目な内容を緩和するためか、映像面の遊びは多い。暑さでやられたいろはとこむぎ、まゆとユキが砂漠を放浪するイメージ映像をシネマスコープサイズで表現したり、メエメエが暑さに対応するために毛をそった姿に驚いたいろはが劇画タッチの作画になったり。演出ののもとゆうやは、どうやら以前に演出助手をつとめていた野本雄也のようで*1、今回がコンテをふくめた初の仕事らしい。若手らしい遊び心のあるアイデアたっぷりの画面は楽しかった。青山充作画監督で、年齢を感じさせるように他の原画マンを多数入れながら全体の統一感は甘いが、今回のようなゆるい話ならば許容できる。

*1:『ひろがるスカイ!プリキュア』で技バンクの処理的な演出を担当。 hokke-ookami.hatenablog.com