法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『エウレカセブンAO』第二十一話 ワールド・トゥ・ワールド(episode:21 rising sun)

ナカムラ以外の日本軍人がトゥルースをどう考えていたのか、よくわからない。主人公側が日本軍と共同状態にあるのだから、台詞で説明しても不自然ではない状態なのに。ちょうど今回ナカムラが日本軍を辞めたのだから、本人の意思だけでなく、トゥルースと不用意に協力した責任問題も背景にあったと説明すれば、綺麗にまとまったんじゃないかな……
ナカムラが沖縄出身で、沖縄に出戻った家族への嫌悪を語り、本土人としての成功を夢見ているところは、いかにも植民地出身的な鬱屈が見えて良かったが。それを語る相手が、同じように出身地の沖縄を嫌悪しているガゼルであるところも、哀愁あって良かった。
エレナの真実は、トゥルースと同種。これまで前作との関連性を疑わせただけに意外な真相であったし*1、それを知らされた後の醜態は主題とも重なっている。ただし、アオと衝突した後で納得するまでが早すぎたか*2。せめて、つらい現実を飲み込むような表情と口調であれば、同じ台詞でも自然だったろう。


作画は日常芝居全般が良かった。吉田健一がキャラクター監修に入っており、アオが食事する場面などはジブリっぽいし、エウレカの作画も柔らかくていい。
あと、仏壇で鐘を鳴らす音で目覚める場面は、いかにも他人の一軒家に子供が泊まった時の情景らしく感じて、懐かしさすら覚えた。

*1:しかし、よく考えると會川昇脚本のTVアニメ版『十二国記』の杉本優香と同じ役割か。

*2:エレナがアオに惚れている描写も足りなかったが、アオの朴念仁ぶりに対する微妙な表情で納得できたし、同じ異世界の住人という認識は描かれていたから理解できる。