法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『エウレカセブンAO』第十一話 プラトー・オブ・ミラー(episode:11 mirror of the world)

會川昇脚本で、今回も夢か現か明瞭ではない状況に主人公が迷い込む。ただしトゥルースは画面に登場せず、作中の台詞でもトゥルースがいないことが示される。
そして全てが敵シークレットの精神操作攻撃かと思いきや、並行して描かれていたエレナ=ピープルの身辺調査を通して、両方とも虚構だったらしいという宙ぶらりんな結末にいたった。


今回は、良い意味で押井守脚本のようだった。主人公が熱血して幻を打ち破ろうとした『交響詩篇エウレカセブン』の当該回とも違う、理知的に幻想を作り上げている。
わけのわからない状況なりに法則性がうかがえること、少人数の幻想で終わらせず逆に幻影の範囲を広げたこと、作中人物が幻影に身をゆだねずそれぞれの立場で真実をたしかめようとしていること……過去回と違って、トゥルースの言動や意図に全てが収束して小さくまとまることもない。どこに立脚していいのか全くわからない酩酊感があった。