法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『虐殺器官』伊藤計劃著

小松左京賞の最終候補となった、はてなユーザーのデビュー作。
読みながらずっと映画『CURE』を思い出していたが、虐殺を発生させるSF設定も同種で、結末まで同じだった。そして後から作者自身が影響関係を認めていたと知った……
前の( http://anond.hatelabo.jp/20090905184450 )の続き。 国家が人格的な「犯..
換骨奪胎はしっかりできていて、近未来における特殊部隊の一員として主人公が機械的に動く物語描写は面白かったが、メインのアイデアに独自性がないとSFとしての面白味は弱くなる。ガジェットの積み重ねで異世界が構築される興奮はなかった。
主人公の一人称視点を通して描くことで、あくまで客観的にミイラになるミイラ取りを描いた『CURE』とは違う面白味もあったが、どちらかというと二次創作的な面白さかな。