法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ラストエグザイル-銀翼のファム-』#11 Backward pawn

残念ながら、群集はコピペで制作した止め絵作画でさえ粗い修正で、主要キャラクターでさえ気の抜けたカットが散見された。アクションも、もう少し上を狙えるコンテなのに、作画が追いついていない。
しかし作画の低調をおぎなってあまりある、素晴らしい脚本アニメだった。わずか1話だけの短い過去回想編だったが、その情報量は濃密で、キャラクターの知られざる関係性も楽しめる。もう少し作画ががんばっていれば今年を代表する傑作回にもなりえたと思えるほど。


舞台は、主要キャラクターが集結した10年前のグラン・レース。記憶に残っていない相互の因縁や邂逅を描きつつ、前皇帝ファラフナーズの人間像を浮き彫りにしていく。
そうしてグラン・レースに主人公が思い入れをいだくだけの社会的意義があったことを示した直後、ファラフナーズ暗殺劇が開幕。ひとときの平和な時代に今とは異なる顔を見せていたキャラクターが、また新たな一面を見せていく。この時の傷を主要キャラクターが様々にかかえていることが映像として示され、OP映像とだぶらせることで強く印象づけた。