法華狼の日記

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ZAKZAKの連載コラムで安倍晋三元首相が従軍慰安婦問題の背景は民主党の外交的失敗と主張

タイトルの時点で出オチ感がすごい。
【安倍晋三の突破する政治】慰安婦問題に垣間見える民主外交の敗北 - 政治・社会 - ZAKZAK

 いわゆる「従軍慰安婦の強制連行」という話は、元軍人の吉田清治氏の証言を、1991年に朝日新聞が取り上げて、日韓間の問題となった。その後、現代史家の秦郁彦教授が済州島に行って、一連の証言がでっち上げであると確認。今や、強制連行については客観的証拠や資料は一切なく、吉田氏は詐話師とみられている。

 そもそも、両国の請求権問題は、1965年の日韓基本条約で「完全かつ最終的に」解決されている。どうして、四十数年もたって、また蒸し返されているのか。

 背景には、民主党政権の外交的敗北がある。

吉田証言を否定することで強制連行を全否定するとか、どこまで周回遅れなのだろう。根拠にしている当の秦郁彦が、『諸君!』の鼎談で「現実には募集の段階から強制した例も僅かながらありますから、安倍総理の言葉は必ずしも正確な表現とはいえません」と批判していたのだが。
秦教授の従軍慰安婦問題に関する新発言 - 法華狼の日記
自身が首相をつとめていた時期の出来事どころか、自民党政権従軍慰安婦問題に対する態度すら言及せず。「四十数年」の間、民主党政権になるまで従軍慰安婦問題が政治課題にならなかったとでも思っているのか。


そもそも一国の首相までつとめた現職議員が、タブロイド系のニュースサイトに連載コラムを持っている時点でどうなのか。普通なら、何か主張する時に野党第一党の有力者として発言できる場がいくらでもあるはずだろうに。党内抗争を行えるだけの余力を残している小沢一郎議員や鳩山由紀夫元首相が、まだしも政治家らしくはあると思えてくる*1

*1:いわゆる「無能な働き者」と考えれば、安倍元首相よりも現実に悪影響をもたらすだろうとも考えられるが。