プリキュア達は難局を切りぬけた、なぜなら「こんなこともあろうかと」一晩で偽物を作って敵を騙していたからだ！
……正直ひどいんだけど、冒頭でも適当すぎる策略を見せて今回はこういうギャグノリと事前通告しているので、けっこう許せないでもない。一応、敵幹部が前日に騙そうと家に来ていた*1ので偽物を作っておく動機はあるし、親子で同じ性格をしているというキャラクターギャグでもあった。
一方で敵の指揮官が立てた作戦は、よくある人質作戦に見せて一ひねり加えた面白さだった。「こんなこともあろうかと」で失敗した後に人質作戦へ切りかえる臨機応変ぶりなど卑怯な敵としてキャラクターが立っていて楽しかった。次回予告で作戦内容を一部バラしていたのが残念。
キュアモジューレを敵がさわれない設定を活用した展開は良かったし、主人公の友人が敵に利用される王道から敵幹部の離反を予期させる王道まで詰め込んだだけの密度はあった。コメディかシリアスのどちらかに寄せれば、もっと良い評価ができたと思う。
コンテは地岡公俊。わりと評判のいい若手演出家だが、レイアウトの密度がありすぎて画面がせまく感じるのが個人的に好みではない。名前のあるキャラクターが多数登場する今回とは組み合わせが悪く感じた。敵幹部が別々に考えた作戦案のイメージで、それぞれ絵柄が微妙に変わっていた細かさが面白かったくらいかな。
*1:その前に別の敵幹部が行おうとした作戦は夢オチで終わり、後で家に来た描写に深い意味を感じさせないという誤誘導はしっかりしていた。
