なぜかちかごろパティスリーに客が来ない。パティスリーを不運と結びつけるウワサが流れているためらしい。
それでも宇佐美は新作スイーツで挽回しようと奮闘して、みんなも力をあわせて盛りあげようとする……
前々回に続いて、琴爪が名探偵的な行動を発揮。まず隠れて動いていた敵幹部ビブリーの活動をあっさり喝破する。正体探しで楽しませる展開も好きだが、今回のように一気に敵へ肉迫する展開も意表をつかれて楽しいものだ。
パティスリーをもりあげるための新作スイーツだけでは不充分で、パティスリーの外に新設したオブジェと共通のモチーフというところから客の興味を引いていく展開も感心した。あくまで宇佐美のスイーツを主軸にしつつ、仲間の奮闘が支えとして重要なことを説得力ある映像として見せていく。
そして新たな敵ビブリーは、ジュリオと交代的に登場した敵幹部だが、ゴシックロリータ調の服装でヌイグルミを使役し、さらに声優を千葉千恵巳が担当することで、『マリー&ガリー』の主人公マリカを連想した。
キャラクター | マリー＆ガリー ： 東映アニメーション TOEI ANIMATION
しかし性格的にはゴスロリ調の悪役の典型として、傲岸不遜に状況を楽しみ、飽きれば投げ出す。人格としては続編『マリー＆ガリー Ver.2.0』のW主人公ノリカに近いかもしれない。
キャラクター | マリー＆ガリー ver.2.0 ： 東映アニメーション TOEI ANIMATION
ブティックで着替えを楽しむビブリーというベタなアニメ描写から、店員へウワサを吹きこむ描写へつながるテンポも良い。
顔見せだけで終わりがちな新幹部登場回だが、きちんと番組フォーマットを消化しつつ、味方側の新キャラクターの顔見世もこなす。
今回は全体として無駄がなく、駆け足ではないのに情報の密度が濃く、娯楽としても充実していた。
