法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『デジモンクロスウォーズ 悪のデスジェネラルと七つの王国』第53話 迫りくる!人間界の最期の日、D5!!

弟が下克上をはたしたかに見えた前回のバグラ兄弟因縁話を、また予想外の方向へ転がした。
まずは、完全に兄弟間の私情のみで強大な力を手に入れたダークナイトモンを、徹底的に小物として描写。回想場面ではデジクロスする以前の小さなスカルナイトモンとして描くことで、視覚的に器の小ささを強調。
そして弟に強制デジクロスされたバグラモンが、実は弟の野心を全て見抜きつつ成長を待っていたという器の大きさを見せつけ、ダークナイトモンの意思を吸収する。そしてダークナイトモンとは反対に世界を支配する大きな理想と信念を語り、同様の態度をタイキ達に認め、そうしてダークナイトモンよりも高評価する大人物ぶりも見せる。


これまで深く描写されてこなかったバグラモンを、多く描写されてきた弟と因縁があると示し、逆方向から浮き上がらせるシリーズ構成のテクニックに感心することしきり。ていねいとはいいがたい紆余曲折したシリーズを、要点ごとにフォローしながらまとめるテクニックは、三条陸脚本ならではという感じ。
予告映像で明かしていたバステモンの再登場も、敵勢力にまだ残っていたネズミ型のチュウチュウモンを排除するため、という一石二鳥の設定活用で楽しめた。
あと、デジクロスがとけてなお強大な敵に立ち向かい、光となって消えたシャウトモンの描写も凄みを感じて印象的ではあったが、来期シリーズを予告する一枚絵に登場してしまっているくらい復活が確定しているので、視聴後は残念な印象となった。