法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『くっつきぼし』前編

たまたまDVDを買った自主制作アニメ。
実質的な収録時間はわずか15分ほどで、絵は自主制作らしく荒いものだが、参加人数が少ないので波は少ない。どちらかというとキャラクター作画より背景美術に力がないため画面が軽くなる問題を感じた。
もう少しコンテをがんばってほしかったが、カット切りかえ等はテンポ良い。
くっつきぼし / PRIMASTEA
さて、全年齢向け作品なのにベッドシーンがあることで話題となっているが、実際は全裸どころか下着すらほとんど見えない。もちろん性器等の修正すべきとされる部位は全く映らない。
東京国際アニメフェアで『近親相姦・NTR・百合・糸引くディープキス』等の性的要素があるアニメ 『くっつきぼし』 が販売決定で石原大ピンチ!!:ニュー速VIPブログ(`・ω・´)
マンガ的にデフォルメされたキャラクターがキスをする場面で糸を引かせることで体液を強調したり、机の下で密やかに行われていることを隠し撮りするような構図で見せたり、肌がふれあっていることを横からの角度で見せたり。性的な直接描写そのものは、予告映像以上に存在しない。映像ソフトに収録された全年齢作品としては、かなり抑制されている部類にあるだろう。
むしろ直接描写を可能な限り隠しつつ*1、どれだけ淫猥さを演出するか挑戦した作品と見るべきだ。


ちなみに、発表されている前編だけでは、主人公の特殊能力が全くといっていいほど意味がない。どちらかというと人間関係において主人公が無力であることを強調する設定として作用しており、それが結末の衝撃的といっていいだろう場面にも繋がっている。
前編だけでは狙ったギリギリ感しかない作品と思うが、「くっつきぼし」という小道具を利用して2人の関係を描く脚本構成は明快で、まとまりは悪くなかったとも思う。

*1:アニメーターの力不足を見こしてという意図もあるかもしれないが。