法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

やはり『サマーウォーズ』は面白くない

本格的な感想は後日の予定だが、TV放映を見ていて思ったことを一つ。
傑作映画『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』の自己模倣という性質が強いため、どうしても見比べて欠陥が目についてしまう*1。奇跡として処理していたクライマックスの協力劇を、アカウントのベット協力として描きなおしたところはSFと見れば改良だが、娯楽活劇として見ると逆転方法が簡単に予想できる上に味方が多すぎて緊迫感が薄れている。
つまるところ全体的に協力者が御都合主義的に多すぎ、逆に敵対者は弱くて*2思想的な強度もない。主人公は越えられそうな高さのハードルしか与えられない。


今になって見ると、そろそろ商業出版されるらしい「まおゆう」と、色々な面で共通していると感じる。個人的には短所の共通点が目につくが、キャラクターに対する作り手の距離感や、物語の提示方法が良くも悪くも似ている*3
あえて安易な言葉で評するなら、これが時代性というものかな。

*1:結果として、最も類似性に懸念をいだいていたビジュアルが、作画やCG技術の向上で最も楽しめたのは良いのか悪いのか。

*2:サマーウォーズ』単体で見ると充分に強そうと感じるかもしれない。しかし『ぼくらのウォーゲーム』において戦闘で圧倒した上に、数量で絶望的なまでに圧倒したディアボロモンとの格差は否めない。

*3:一例をあげるなら、危機発生のキーキャラクターである陣内侘助と、王弟元帥の扱いが相似形を描いているのではないだろうか。