正直にいって前回までは起伏がさほどなく、当初の敵がとりあえず壊滅するまで一直線だったため、展開こそ早くとも密度が濃いとは感じられなかった*1。
比べると今回こそ、ひとまず戦いが終わった後の復興と、様々な人間関係の変化や修復が描かれており、ずっと密度が濃いと感じる。
大統領が送った調査員かと見せかけて誘拐犯だったという展開は、なかなかいい引っかけ。かといって調査員が顔見せに終わるわけではなく、誘拐事件を契機に調査もそれなりに進展し、物語に無駄がない。
なぜ今のタイミングで誘拐犯が登場するかということも、ちゃんと物語に組み込まれる形で自然な前振りが入っている。結末でジョーイが戻ってくるところも、直前に小道具を何気なく印象づけており、台詞にたよらずとも映像だけで納得できる。伏線とはこう描くものだ、という感じ。
*1:当初の敵組織が壊滅する早さだけならば『破邪巨星Gダンガイオー』という極北が十年近く前に存在するので、競うだけ不利という面もある。