法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『魔法つかいプリキュア!』第24話 ワクワクリフォーム!はーちゃんのお部屋づくり!

成長したことはと同じベッドで寝ているため、みらいは寝不足になってしまった。家族に相談して、屋根裏部屋をことはの個室にすることに。
ことはは魔法で屋根裏の荷物をかたづけた後、みらいの父の家具づくりも手伝おうとするが……


苦労した後の食事が美味しいという描写で、努力を賞揚する。作品としては“魔法”というフィクションについてのエクスキューズとなり、敵との“魔法”に対する見解の違いというドラマにむすびつく。
しかし教育として努力の重要性をうったえるのはいいとして、得意な技術を封印することを正しいように描写するのは疑問。努力せずにできる才能は、むしろ伸ばすべきだと感じてしまう。そういう意味で、存在するだけでみらいを支えて、労働力にはならなくてもリフォームを助けたモフルンの描写は良かったのだが。


あと、子供にとっては屋根裏部屋は秘密の隠れ家のようで楽しいものだが、それを幼い居候の住居にするよう祖母が提案したのは、もう少し配慮がほしかったかな……
屋根裏は断熱等の意味もあるのであって、生活することに向いているとはいいがたい。もともと生活空間として設計された部屋という説明を入れたり、エアコンをとりつけて生活環境を整えるといった描写を入れれば、ぐっと納得しやすかったのだが。
なお、かわりに部屋の見ばえを良くするため、玩具販促をかねてビーズ飾りをつくる描写はある。先述したようにモフルンのドラマとしては良かったのだが、壁一面を飾りでおおって、ソファの背もたれにまでとりつけている映像は良くない。魔法がある世界観だからこそ、そこに生きている人間の生活を想像した描写にしてほしかった。


一方、敵の描写には文句ない。自分でつくったドクロクシー人形に忠誠をちかうヤモーの姿は、ここまでくると胸にくるものがある。敵組織内のドラマで主人公側のドラマを圧迫することがなく、それでいてプリキュアと戦う動機が強固となり、敵がわざわざ怪人を一体ずつ送りこんで各個撃破される問題にも説明がつく。
ちなみに、敵が一体ずつ攻めてくる問題を敵組織壊滅で説明した先駆作品として、『破邪巨星Gダンガイオー』というロボットアニメがあった。敵組織の行動が真の侵略者に対抗するためだったという真相も、ドクロクシーの正体に似ている。
魔法つかいプリキュア!』も最初からヤモーしか幹部がいなくて、ドクロクシーを序盤で倒していれば*1、敵幹部のドラマの弱さに疑問をいだくこともなかった。

*1:校長の力を借りて倒せばいいのだから、プリキュアとして成長していない序盤で倒せても疑問は少ないはず。タイミングとしては、マホウ界を去った第9話あたりでどうだろう。