法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒season15』第7話 フェイク

母子家庭の母親が、息子の死を警察署で“確認”する。その息子の同級生が誘拐されている事件と並行して、母親は不審な行動をとる。
杉下は、誘拐犯が警察を翻弄している原因をひとつ推理するが……


イムループを題材にした前シーズン第17話*1が印象深い徳永富彦脚本。
いかにもトリッキーな不可能犯罪を展開しつつ、ドラマとしてのポイントは少しずれたところにあるパターン。密度の高い展開をとおして、知能犯とのかけひきと、社会派テーマを同時に味わうことができた。
もっとも、安達祐実演じる母親の態度から、これも内通者のひとりか、サイコサスペンスの類型のどちらかだろうと見当はつく。しかし、伏線ひとつひとつが両義的で判断しづらく、その伏線から引きだされる推理も明快だから、ミステリドラマとしての満足感は高い。特に、同級生の家族へ匿名で供花を送った意味が、推理によって裏返る衝撃はなかなかのものだった。