法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

その程度で民主党はゆるがない。残念でした。

あいかわらず民主党と韓国や日教組を結びつけたコピペを見かける。あくまで個人的な見聞なので新しい種類のコピペも存在するのかもしれないが……


さて、鳩山代表および夫人のカルト容認やオカルト傾倒が一部で話題を集めている。
「俺の邪悪なメモ」跡地
鳩山夫人の発言から見て*1、夫は妻の影響を受けただけという可能性が高そうだ。しかし、たとえば「幸福の科学」で広告塔をつとめていた作家の故景山民夫も先に妻が入信し、引きずられて熱心な活動を始めたと記憶している。
もし最初の拒否反応がオカルトをよく知らない不安感によるものだとすれば、一種の免疫ができていないと考えられ、のめりこんだ場合はオカルト趣味者より激しく布教するおそれもないではない。


しかし、オカルト批判が政治家への痛烈な一撃となるのは、オカルトが危険なものと認識されている場合だけだ。
少し前のテレビでは細木数子がテレビに出ずっぱり、今は時おりモニターからオーラの泉があふれている。日本の現代社会において同程度のオカルトは危険でも何でもなくなったのだ。消費される娯楽にすぎない。おそらく鳩山夫人の行状がワイドショーで報じられても、井筒監督あたりの激怒役が声を荒げる程度で、すぐ次の話題に移ることだろう。
実際、鳩山夫人を報じる読売記事などは、海外報道を伝える程度のベタ扱いだ。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090905-OYT1T00435.htm

 【ワシントン=小川聡】米メディアは、日本の首相に就任する予定の鳩山民主党代表に注目するが、同代表の幸(みゆき)夫人にも強い関心を払っている。

 CNNテレビは4日、「日本の風変わりな新ファーストレディー」のタイトルを付けながら、幸夫人が著書などで「寝ている間に、私の精神がUFO(未確認飛行物体)に乗って金星に行った」「私は太陽を食べている」といった発言をしたことがあると、2分半にわたって詳しく紹介。

 MSNBCテレビも、「日本の次期首相は、『宇宙人』という愛称で呼ばれているが、夫人の方も自ら宇宙に行ったことがあると主張している」としながら、夫人が「新風を吹き込んでいる」と好意的に報じた。

 夫人の「UFO発言」はAP、ロイター両通信社が配信したため、世界で話題を呼んでいる。
(2009年9月5日11時52分 読売新聞)

そう、政治と関わっているからといって危険性が認識されるわけでもない。選挙期間中はしかたないにしても、今なお幸福実現党が批判されていない現状を。つい最近まで公明党が連立によって政権与党の座についていたことを。政治とオカルトやカルトの結びつきは、その程度の問題としか認識されないのだ。
オウム真理教地下鉄サリン事件を起こして、一時期の大手メディアでオカルト関連記事が自主規制されたのは十数年前。娯楽としてのオカルトも充分に危険であることを忘れるには充分な時間なのだ。
そしてそれはネットでも大差ないのだと思う。一部の声が拡大されて見えているだけ。しかも、オカルトとの結びつきを問題視している者は、必ずしも自民党の支持者とは重なっておらず、民主党の立場が逆転することはないと思う。
あくまで個人的な見聞だが、まだ今のところ鳩山代表とオカルトの結びつきを指摘したコピペは見かけていない。たぶん、そういうことなのだ。


思い返してみれば、安倍普三首相が統一協会関連のイベントに祝電を送り、新しい歴史教科書をつくる会の新会長がイベントに出席していた件も、それを批判すること自体は極めて有意義であったと思うが、ほとんど政治的な効果はなかった。
ネット以外へ目を向けても、一部の週刊誌は少し注目したことがあったが、大手の新聞紙はほぼベタ記事扱いだったものだ。
鳩山代表には急いで軽率と愚かさを謝罪し*2、辞任は無理でも一線は引いてほしいところだが……残念な結果になるだろうことは目に見えている。オカルト政治家という将を批判しようにも、オカルト消費に寛容な社会という馬が巨大すぎるのだ。個人的には、もし民主党が直感医療*3公的資金を投入しても、最新医療に税金を使うより評価されかねないとすら怖れている。

*1:http://d.hatena.ne.jp/tsumiyama/20090831/p1「今の主人なら答え方が違うでしょうね」の前後。

*2:夫人は政治に影響を与えない範囲でとどめるなら、公的に謝罪するほどではないかもしれない。

*3:個人的に代替医療という言葉は使いたくない。発案者の思いつきを真面目に検証しないまま行うから、仮に直感医療と呼ぶ。