法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム00』セカンドシーズン#10 天の光

物語の流れと関係が薄い顔見せ戦闘を、ノルマ的に入れたところが水島精二監督作品らしい。それでも短時間の戦闘ながら様々な機能を見せ、一時的にしろ単機でガンダムを追いつめられるだけの説得力を演出できていた。
わざわざ警告するため新兵器を出したという作中の推測には、最初は説得力を感じなかったが、今回分の結末まで見ると、さらに大きな新兵器が誇示される。たかだか新型兵器一機の示威行動ならば別だが、大量破壊兵器の使用を続けて描写されれば、合わせて抑止力として充分に説得力ある。
ついでに、大量破壊兵器の攻略で物語を一区切りするだろうし、その際に今回登場した新兵器が立ち塞がるだろう、と今後の展開が予想できて話が見えやすくなった。


また、アニメ雑誌等で事前情報を得てない者として、主人公側の新兵器かと思わせた副題が、実際は連邦側の新兵器だったという引っかけも良かった。
今回登場したばかりの反連邦有力国が、さっそく大量破壊兵器の生け贄にされる展開にも驚いた。考えれば素直な展開なのだが、反連邦組織カタロンが協力者を必要とする描写を積み重ねてきたので、登場した回で協力者が壊滅したかのような描写をするとは思わなかった*1。壊滅することは既定路線だとしても、もう少し引っ張るかと予想していた。


怪しすぎる新キャラクターも、ツインドライブの完全稼動も、ハレルヤの復活も、セルゲイの危機も、全て次回への引きにすぎない。物語は動いていないしキャラクターも成長していない。ロボットアニメはロボットがキャラクターと考えても、ツインドライブ完全稼動の凄さが台詞で数字が語られるだけでは、やはりあくまで次回への引きにすぎない。
しかし状況変化を予感させる要素がつるべうちされ、ロボットアニメとしての本分も見せ、繋ぎ回の役目は果たされつつ充分に楽しめる回ではあった。

*1:実際の被害程度は次回にならないと不明。