法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダムAGE』第17話 友情と恋とモビルスーツ

展開が拙速でもったいない。少女が戦場にいることに驚いてスパイが攻撃を停止する描写をやりたいなら、そのスパイが学園で少女と交流する展開を先にじっくり描いておくべき。少女もロボット部の一員で、今回はロボット大会を通して交流し、ガンダムの発見と戦闘は次回に回すとかね。展開が早すぎるので、主人公側のガンダム隠蔽も稚拙に見えてしまう。
せっかくの学園物ガンダムという珍しい状況なのだから*1、次回で卒業などせず、時間をかけて描けば色々と発展しようもあっただろう。


戦闘用とは思いにくい車に乗り込み、巨大人型兵器と戦って時間稼ぎをする泥臭さは悪くない。スモークをたいたりして、素人の子供パイロットが旧型ガンダム単体で勝利する説得力を上げようとしているところは好感が持てる。
上下や左右に回り込む殺陣や、ビームサーベルを2本持っているがゆえの戦法など、手描き作画ならではの複雑なアニメートも楽しかった。
しかし、これもいかんせん時間稼ぎにおける武装の貧弱さが強調されすぎていて、地球軍に対して優勢にあるはずの敵を足止めできる説得力には欠けていた。せめてロケットランチャーも全て発煙弾として描くとか、さらに説得力をあげないと、ゲリラ戦術らしさは生まれず、敵が愚かに見えるだけだ。

*1:主人公がスパイとして潜入した『新機動戦記ガンダムW』という前例はあるが、キャラクターが共感の対象とはほど遠かった。