法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム00』セカンドシーズン#5 故国燃ゆ

話の立て方は悪くなかったが、あまり引っかかるものがなかった。主軸が反政府勢力カタロンの拠点壊滅にあり、サブタイトルから連想された主人公の故国壊滅はCパートだけで次回に引いたところが驚けたくらい*1
もちろん、CGで描画された無機的な無人ロボットによる虐殺とか、自在に飛行するアローズの機体と対比するように重々しく歩きながら反撃するカタロンの機体とか*2、ロボットアニメとして良い場面は多かった。しかし、前振りとなるべきカタロン構成員や子供達とのふれあいが、とおりいっぺんの描写しかない。
一応、カタロンとアローズとソレスタルビーイングの相互関係、および息子と養女と一般人それぞれの視点でスミルノフ大佐のキャラクターを見せるといった点は、必要最低限で描写しており、カタロンの描写に尺がさけない理由もわかる。思いついたのはガンダムの描写を減らすか*3、会談をOFF台詞にしてふれあいの場面にかぶせるといった小細工くらい。
もともと名前のない一般市民*4には描写をさかない傾向があったが、加えて二期に入って増えたキャラクターに押され、余裕をもった描写ができなかった感がある。


あと、子供の相手をするために会談から外れるマリナがすごかった。
ヒロインの立場がないというメタ視点ならばネタにもなるが、仮にも作中では一国を代表する姫だ。反連邦政府組織としては丁重に扱ってしかるべきだろうし、ソレスタルビーイングとの会談を聞かれたくないとしてもあしらいかたがあるだろうに。

*1:何度も使える引っかけではないが。

*2:機種によって微妙に壊れ方が異なる点も細かい。

*3:今回は、拠点に出入りする場面で機械の魅力は描けていたが、虐殺に敵味方の気持ちが引きずられていて戦闘は面白くなかった。うえだしげるのハッタリが少ないコンテ演出にも問題があったと思う。

*4:名前のない一兵士や政治家には相応の尺を使っている。