橋下弁護士が2位熊谷氏に対して約2倍の得票数を獲得し、大阪府知事に当選した。3位梅田弁護士の得票数を2位に足しても橋下弁護士が優っている。
さて、前回*1書き残していたところの続き。
ぼやきくっくり | なぜ大阪府民は橋下徹氏を選んだか
というわけで、もう私としては「橋下さんが一番マシ」ってことで、彼しか選択肢がなくなったわけです。
はてなブックマークで注目を集めているエントリなのだが……
まずブックマークでは、終盤で理系文系や血液型を持ち出したため画竜点睛を欠いているという意見もある。
はてなブックマーク - ぼやきくっくり | なぜ大阪府民は橋下徹氏を選んだか
# 2008年01月28日 dbfireball 政治 最後に血液型の話が出てこなければ完璧な文章だったのに、残念。いや、ブログ主の意見じゃないのはわかってるけどね。
2008年01月29日 noneno 血液型と理系の話が無駄。襤褸が見えたね。
だがむしろ、逆ではないか。血液型の逸話を紹介できるからこそ、くっくり氏は橋下支持だったのではないか。
実際に消去法で選んだのではなく、消去法で選んだのだと自分を納得させる文章として読めば、これほどわかりやすいエントリもない。
「消去法の詭弁」という言葉がある。
熊谷氏や梅田弁護士の他にも候補者はいたのだが、くっくり氏は言及していない。
橋下弁護士が批判される大きな理由だろう懲戒請求騒動についても全くふれていない。過去に言及したエントリで*2、くっくり氏は「私は橋下弁護士の味方」とまで書いた争点だというのに。
公明党について語っている部分でもごまかしが見られる*3。
「外国人参政権」については、主な3候補は基本的に全員賛成のようです。濃淡はありますが。
民主、社民などが推薦した熊谷さん、共産が推薦した梅田さんが賛成するのは当然としても、橋下さんが賛成に回るというのはちょっと意外でした(告示の2日前に行われた「マニフェスト公開討論会」の音声ファイル参照。開始から53分頃)。
が、これは、紆余曲折はあったものの最終的に「支持」ということでまとめてくれた公明党への配慮ではないか?と、私は見ています。
気に入らない政策の原因を公明党に押しつけるなら、なるほど橋下弁護士を推さない理由にはならない*4。
私は公明党が大嫌いなので、ここだけの話、究極の選択ということで、梅田さんという選択肢も考えなかったわけではないです。共産党は部落解放同盟と長年、対立してきましたしね。
が、やっぱり梅田さんの、あの胸元に燦然と輝く「憲法9条バッジ」がどうにもねぇ……(「9」の形の金色のバッジ)。
「無防備地域宣言」とかやりかねないですよ。つーか、すでにこの人、この運動に噛んでるし。さらにこの人の場合、前にも言ったけど、「サヨク運動家」と言ってもいい経歴ですから。
憲法9条は公明党も推しているし、自民党も形式的には尊重する姿勢を崩していない。どちらかといえば日本共産党自体に嫌悪感を持つ一般人は少なくないと思うが、憲法9条を堅持を支持しない理由にする「普通」の人がどれだけいるだろうか。
そして、くっくり氏は「なぜ大阪府民は熊谷さんでなく橋下さんを選んだのか?」その理由を箇条書きにしているのだが、当選できた理由で公明党組織票にいっさい触れていない。
ちなみに、くっくり氏が梅田弁護士を「サヨク活動家」と呼ぶ根拠なのだが、日本共産党で政治活動をしているから……ではないらしい。
ぼやきくっくり | 大阪府知事選に橋下徹氏が出馬
(ちなみに共産党推薦ですでに出馬を表明している梅田章二弁護士は、「日本反核法律家協会」理事、「非核の政府を求める大阪の会」常任世話人などを務めています。本人は庶民派を自認してますが、サヨク運動家と言った方がいいのでは?)
反核活動でだとは、かなりユニークな「サヨク活動家」認定基準だと思う。
なるほど、こういう時代だから*5保阪正康氏は極左と呼ばれるのだろうし、半藤一利氏の思想は自虐史観となるのだろう*6。
最後に、年末年始にかけて、はてな界隈を中心として南京事件をめぐる騒動があったことを記憶している人は多いだろう。
発端の一つは、はしげた氏の論争をclaw氏が紹介したエントリだった。
2008-01-01 - ▼CLick for Anti War 最新メモ
はてなブックマーク - 2008-01-01 - ▼CLick for Anti War 最新メモ
エントリでは明示されていなかったが、実は論争が行われた場所がくっくり氏のコメント欄であること。
ぼやきくっくり | 新「南京大虐殺記念館」まだ30万人て言うとんのか!
そして論争の後で、くっくり氏は新しいエントリで何の注釈もつけず朝日新聞の歴史として下記文章を載せていることは、もっと注意されていいだろう。
ぼやきくっくり | 「これでも朝日新聞を読みますか?」
くっくり氏は悪人ではないと思うものの、主張が信頼できる人とは思えない。
もちろん、騒動から1ヶ月くらいしか時間がたっていないのに、経験をいかせてない受け手側も問題だろう。懲戒請求騒動不言及から歴史修正主義まで、過去の忘却という形で繋がっている。