法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒 season24』第9話 カフカの手紙

 公園に集まる母子たちに少し前から読み聞かせをしている男がいた。ある夜、男が大金をもって道端で死んでいた。その紙幣はさまざまな時代のもので、特に番号から犯罪などにむすびつく要素はない。死因も病死のようで事件性はなさそうだ。しかし念のため調べてみると男の指紋が警察のデータベースに残されていた……


 なんとなくひさしぶりな印象がある瀧本智行脚本回。しかし序盤で事件性の薄さが判明しているので、サスペンス的な緊張感はない。明らかになった男の過去もバブル紳士で、指紋が残っていたのも脱税容疑で執行猶予が出たくらいの悪さでしかない。身元を隠していた理由も金の運用をまかされていたヤクザからバブル崩壊後に追われることになったというだけ。
 長い時代を生き続けた人情劇としての面白味は感じられたし、こういう意外性を重視しないエピソードもあってこそシリーズの幅が広がって意外性を重視したエピソードの驚きも増すとは思う。とはいえ、特に書くことはあまりない。ひとつだけ、金に踊らされた男側にふりまわされた女側が、どれほどの反省を知っても男と距離をとることを選んだ結末は良かったと思う。