法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『わんだふるぷりきゅあ!』第3話 言っちゃダメェ~!

 ニコガーデンに突入したこむぎと犬飼。そこはニコという存在がつくった世界で、普通の動物とは少し違うニコアニマルがくらしていた。しかし過去に何かの事件があり、ニコアニマルは行方不明になったという。メエメエの説明を不真面目に聞いていたこむぎと犬飼は、それでも街にもどってニコアニマルをさがしはじめるが……


 今回も成田良美シリーズ構成が脚本。絵コンテは頂真司で演出は岩井隆央。作画は突出していないが安定している。
 まずメエメエの説明台詞をプリキュアが真面目に聞かないギャグにしたところが説明くさくなくていい。くわえて後半でプリキュアの存在を知った兎山悟が真面目に説明を聞いて、プリキュアの秘密を守りたかったメエメエに好感をいだかせつつ、視聴者にとって設定理解の復習になる構成が地味にうまい。
 その兎山はなんら特殊な能力をもたないのに脅威から他者を守ろうとすることでプリキュアの精神を体現する。そういう台詞が明確にある。同じ成田シリーズ構成の『ハピネスチャージプリキュア!』において、超常的な存在でありながら傍観者でいつづけて情報も隠していた神ブルーの反省だろうか*1
 しかしこういうかたちで序盤からプリキュアらしさを分担するところは、今回になっても敵の浄化で必殺技をつかわない今作らしさがある。思えば犬が変身するプリキュアという売りも、実際に見れば過去作品の妖精と大差なくて個性を感じなかったが、妖精が最初に変身して単独で戦う導入としての独自性があった*2。さらにこれまでの作品なら主人公らしい犬飼も二番目に変身して、今回のように防御技をつかう。今作は意外とシリーズの定番をふまえつつ少しずらす方向で面白味を出そうとしているのかもしれない。