法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『わんだふるぷりきゅあ!』第39話 ニコエボリューション!

 ハロウィンなので犬飼いろはや兎山悟たちは店の前でお菓子配り。仮装した友人やなじみ客が次々にとおりすぎるなか、狼のコスプレをしたこむぎは同じ狼の格好をした者を見つけて追いかける……


 成田良美シリーズ構成の脚本で、復活した敵首領ガオウとの邂逅を描く。すっかりシリーズに定着したハロウィン回を、獣人姿の敵が人ごみにまぎれこむ展開につかったところがうまい。かたくなな復讐心をもつガオウに対して、天真爛漫なこむぎが何も知らず仲良くなっていく定番だが、完成度の高い古典的な展開なので意外性こそないが楽しい。
 そこからこむぎが怪物化させられるような危機まで発生する。必殺技で倒すのではなく抱きしめて癒して怪物化を解いてきた今作だからこそ、いろはがプリキュアに変身できないままこむぎを救えたことに説得力がある。せっかくなら数話分こむぎが敵幹部になってしまう展開を見たかった気持ちはあるが、シリーズのなかでも低年齢向けの今作では難しいか。


 なお、コンテは頂真司で岩井隆央が演出だが、このスタッフにしてはストーリーの緊迫感に比してレイアウトがゆるめ。敵と味方の対峙を真横からとらえたような説明的なカットが目立つし、棒立ち気味なので絵の動きもない。
 前半のさまざまなキャラクターのコスプレは可愛らしかったり笑えたりして良いし、各キャラクターの芝居も話数をかさねて定着したイメージをよくつたえる動きにはなっていたのだが。