キュアワンダフルが救った羊は、立って言葉を話しだした。名前はメエメエといい、ニコガーデンという動物の楽園から来たという。プリキュアやニコガーデンについて秘密にするよう犬飼に要求して、メエメエは不思議な鞄に入ってニコガーデンへもどっていったが……
成田良美シリーズ構成の脚本に、ベテランの佐々木憲世コンテ。作画監督の玖遠らぎは、関係者が示唆しているように上野ケンの変名なのだろうが*1、物語と演出の必要性にそって犬飼の崩れた表情を嫌味なく描いたところが本当にいい。日常シーンは男女の別なく頭身高めで整っているし、アクションも背景動画をつかったりしてよく動く。
こむぎは子犬らしく天真爛漫で幼いところで、対比的に犬飼の精神年齢が高いところも面白い。学校の勉強は必ずしも良くなさそうなのに、苦労をせおいこむタイプという組みあわせはシリーズでは珍しい感じがある。変身してから格闘的な戦闘をしないこともあって、『プリキュア』シリーズよりも『おジャ魔女どれみ』シリーズに近いものを感じた。
動物アニメとしてはさっそくニコガーデンなる異世界の存在が明かされて、この作品における動物は良くも悪くも妖精の一種と示された。こむぎが捨て犬と回想されて、犬飼がひろおうとした時に歯をむきだしにする獣らしい生々しさを見せたが、それもこむぎが異世界から来たことの伏線ではないかと思えた。ただ完全にファンタジーな妖精と違うところとして、兎山悟という少年が動物の知識を多くもっていると語られたので、それが今後のプリキュアの戦闘に活用されるのだろう。
*1: 玖遠らぎ…一体誰野ケンなんだ…