法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

「オタク」の「自浄作用」の有無が男女で違って見えるとすれば、「自浄」の目的の違いではないだろうか

 はてな匿名ダイアリーに疑問点の多いエントリがあった。根拠がはっきりしない全体の傾向についての話なので、こちらもあくまで疑問を感じたというだけで、はっきり否定できるわけではないが。
「男オタクの界隈には自浄作用が無い」って言ってた人って今どうしてるんだろう

煽りでも何でもなくて純粋に気になる

今ジャニオタとか宝塚オタが暴れ回ってて、界隈の人たちは止めるでもなく諫めるでもなく、そもそも関心事体無いっぽいんよね(もしくは同調圧力で無言を貫いているか)

ああいうのを見てどう思うんだろう

界隈の中で議論が巻き起こる男オタクの方が健全性を感じてしまうのは俺だけのかな?

「界隈の人」がオタクとされる女性全体を指すならばジャニーズ事務所のありようを批判する意見も見かけるし、逆にジャニーズ事務所批判批判に陰謀論的な保守派男性が合流しているところも見かける。「ジャニオタ」を自称して陰謀論に同調するはてな匿名ダイアリーもあったくらいだ*1はてなブックマークを見ると、男性と思われる複数のアカウントがはてな匿名ダイアリーに同調して、陰謀論をそだてている*2
 逆に、それぞれの趣味をもつ界隈の内部にかぎるなら、男性が女性よりも議論が起こりがちという印象はない。インターネットの男性的なコミュニティで差別的な解釈が批判されないまま定着していった事例も何度となく見てきた。
 そもそも「自浄作用」と呼ばれる動きは、特権的な指導者でもいないかぎり、まずは内輪の論争というかたちで発生するのではないだろうか。おそらく女性オタクの「自浄作用」も、第三者が観測できるまでは内輪で議論がまきおこっているのではないだろうか。
 念のため、女性の内輪でどのような議論がおこなわれているかや、その頻度はどのくらいかという肌感覚を私はもっていないので、はてな匿名ダイアリーの主張が明確に間違いともいえないが。


 ただ、ジャニーズ事務所へのBBC報道のあたりで見かけたが、女性の「自浄作用」は検索よけと呼ばれる文化に代表されるように、公式に迷惑をかけないという方向が多い印象はある。それゆえ公式そのものに問題が出た場合はうまく発揮されないのかもしれない。
 良し悪しは別にして、男性は公式が迷惑と発信しても自身の欲望を優先して消費活動をすることがしばしばある。短期的にでも自由を謳歌したい男性と、継続的に楽しむため抑制しあう女性という文化的な傾向の違いがあると仮定すれば、おそらく後者のほうが「自浄作用」と呼ばれる行動が多くなる。しかしそれだけでは「自浄作用」を発揮するには視野が不足しているということかもしれない。