法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』消せ!イ・レーザーポインター/ぼくを止めるのび太

 今度はOPがなくなったと思ったらEDが40周年版のメインキャラクター声優が歌う「ドラえもんのうた」に。タイミングの理由がよくわからない。


「消せ!イ・レーザーポインター」は、のび太が母親について書いた作文が先生にほめられる。しかしそれを先生が母親に見せに家へ来ると聞かされ、母親を怖がっている部分を消すことに……
 鈴木洋介脚本、氏家友和コンテ演出のアニメオリジナルストーリー。秘密道具のイ・レーザーポインターもアニメオリジナル。
 まず、のび太の作文が実際に聞いて楽しくできていることに感心。周囲のクラスメイトが笑っているのは、のび太が意図したものではなくても、嘲笑というより正直な感想すぎて楽しかったのだろう。それもふくめて教師が高評価してもおかしくないと感じさせる。おそらく秘密道具で隠さなければ、怖がっている部分もふくめて良い作文だと教師が母親に説明してくれただろう。
 そしてジャイアンにとられたノートの落書きを消すため、ビルの屋上から秘密道具でねらうのび太と、その横で双眼鏡を見ながら指示を出すスネ夫がよくできた狙撃シーンのよう。少しずつ問題の頁に近づいていく緊張感と、日光があたるからとカーテンを閉めるという危機、しかしまぶしさでジャイアンがよく見えていない隙に鏡をつかってレーザーを当てる……と、なかなか見事にSF的な狙撃パロディをやってくれた。日光は夕陽となることで後述の展開にもつながる。
 前後して、最初にアニメオリジナル秘密道具で珍しくSF考証的な説明がされたところも良かった。その可視光線の説明そのものも面白いが、赤い光があたると消したものが見えるようになることの心理的な伏線にもなった。ドラえもんが作文を消したことについては、のび太がどこかに行かなければ母親から回収したのだろうと解釈できるので問題ない。


「ぼくを止めるのび太」は2011年の再放送。こういう映像がいいエピソードの再放送を見ると、後半の途中でCMが入り、サブタイトルのテロップも流れる現在の番組フォーマットが残念。
hokke-ookami.hatenablog.com
 ただ原作や過去のアニメ化ではバカバカしいオチにすぎなかったカップラーメンのプラモデルが、実際に2020年に発売されて、しかもバンダイが技術力をそそいだ完成度になるとは……