法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』祝!まる見え33周年 春満開!お笑い怪獣もやってくる ミステリークイズ3時間SP

 恒例の明石家さんまゲストの3時間SP。去年*1とくらべると、適度に難しく誤答も面白く、きちんとクイズ番組として成立していた。いつものMCふたりとのバカ騒ぎも終盤にお好み焼きをつつきながらお題にしたがって語りあうだけで、特に内容がないわけではないが不快感も少ない。


「衛星カメラが捉えた地球の謎」は、もとの番組が謎解き形式なので、今回のコンセプトにもあう。北米に残る謎の巨大な矢印は飛行機郵便のための目印だったり、ロシアの巨大なくぼみは森林を伐採して日光が永久凍土にあたって溶かした結果だったり、真相の多様性も情景の奇妙さも充実していた。


「全米中が大騒ぎ!バルーンボーイ事件」は、2009年にコロラド州の発明家が、移動用巨大バルーンに子供が乗ったまま飛び立ってしまったと通報した事件。
 なんとなくヤラセという真相に見おぼえがあって、クイズの答えに意外性はなかった。スタジオで正答こそされなかったが、メディアを騒がした事件として新しすぎてクイズには向いていない。


「アルカトラズ脱獄犯は生きていた!?」は、生きて脱獄できた者がいないとされるアルカトラズから、実際には3人が脱出できていたらしいという情報を追う。
 刑務所で入手できる物品を利用して壁に穴を開けたり偽装するための蓋や頭部をつくったりして、最終的に荒れた海をわたろうとしたが上陸はできなかった……とされる脱獄事件で、実際は生きていたと脱獄犯の親類が主張し、それらしい写真を見せる。その写真と脱獄犯の顔を顔認証で識別し、ほぼ本人と判断したのだが……はてさてどこまで信じていいものか。
 1979年に映画化されるほど有名な事件であり、関係者としても伝説を補強する動機は充分にあるだろう。写真と同じ場所が存在することは、脱獄犯が生存していた証拠そのものではない。全長版を見れば親類の証言を補強する証拠が他にもあるのかもしれないが。


ビデオゲームの墓場」は、ATARIショックで知られるゲーム会社の残したクソゲー都市伝説、映画『E.T』を原作とした大失敗ゲームを砂漠に埋めた真相を解くドキュメンタリは、実際に廃棄場からゲームが見つかったものの数は少なく、人気作も同時に見つかったことで、あくまで在庫処分に尾ひれがついただけらしい。
 しかし先に映画『インディ・ジョーンズ』をゲーム化して大ヒットを飛ばしたプログラマーが、映画公開までに5週間で完成させることを請け負い、失敗作になったというクソゲーの原因は、現代のさまざまなコンテンツ産業でも見られる。
 また、そのクソゲーたる最大の理由が、ゲームクリアのためのアイテムを確保する穴から脱出しようとしてステージにもどるとまた穴に落ちるという仕様で、とにかくストレスがかかるというダメさなのは、初歩的なミスだからこそ良くも悪くも理解はできる。


 しかし、番組公式サイトのバックナンバーに「ピサの斜塔の秘密」*2とあるピサの斜塔は、ミニ映像コーナーもふくめてまったく出てこなかったような……サイト担当者の誤りか、それとも何らかの差し替えでもあったのだろうか。