「のびタコ捕獲大作戦!」は、ジャイアンから野球、スネ夫からドッジボールを強要され、のび太は逃げだす。しかし同時に多数を相手にできる秘密道具をドラえもんがつかっているのを見て……
諸橋隼人脚本、善聡一郎コンテ、田中薫作画監督によるアニメオリジナルストーリー。首から下がタコ化したビジュアルが楽しい。無数のボールを投げあう描写もきちんと作画で動かす。
秘密道具「オクトパスーツ」は8本の手足が追加されるだけでなく、タコのさまざまな能力がつかえることがポイント。以前の「カメレオン茶」*1で言及した体色変化による擬態や、スミ吐きや足の自切などで切りぬけるアクションがきちんと映像化されている。
だからドラえもんがジャイアンたちに協力しても思うようにいかない展開にも説得力があった。
「カチカチカメラ」は、のび太が空き地で昼寝をしようとしていたところ、年上の学生が先に寝ていた。帰り道に白猫が黒猫にいじめられているのを見て、秘密道具で白猫を助けることにするが……
中期原作を小倉宏文監督コンテで2005年リニューアル以降で初アニメ化。ふと今回を見ていてタイトルは「カチカチ山」とのダブルミーニングかな、と思った。
冒頭で土管に先客がいるアニメオリジナル描写は、原作の別エピソードの引用かもしれないが、オチで唐突に登場する学生の伏線として効果的。
さらに途中で犬におそわれることで、カメラで映した一方を勝利させる秘密道具で自撮りしながら戦う難しさを実感させ、やはり原作どおりに空き地に罠をしかけるかたちで戦う展開に説得力を増している。