法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒 season21』第12話 他人連れ

自動車で住宅街にいた特命係は、小学生らしい男子と父親らしい男性から、家まで乗せてほしいとたのまれる。アパートへ運んだ特命係だが、ふたりの雰囲気に引っかかりをおぼえた。一方、アパートで半グレの男が刺殺される事件が発生した。その男がかつて盗みに参加した5千万円とともに無関係と思われた事件が関連していく……


5年ほど前に2回ほど参加*1した櫻井智也がひさしぶりに脚本として登板。社会の闇に巻きこまれた少年と、疑似家族の協力というモチーフは太田愛脚本を思わせるが、協力する大人の男側にドラマの視点があるところが櫻井智也脚本の個性か。
二課との協力をはじめ、あまり参加しない脚本家だからこそ既存のイメージを守ろうとするためか、キャラクタードラマとしては視聴者サービスが多くて楽しめた人は多そうだ。手がかりをきちんと序盤に映像で見せていたのもいい。
しかし内容がわかりやすくて、多少はひねっていたわりに意外性を感じることができなかった。アパートという舞台だからこそ、大金の情報を知った隣人に魔がさして事件が発生したというギミックは、もっと効果的なプロットがありえたのではないだろうか。たとえば関係者の誰も彼もが同じアパートに住んでいるグランドホテル形式のドラマにして、たまたま冒頭でたちよった特命係が結末までアパートを出ないままストーリーが展開する、とか……これだと真相は現行よりわかりやすくなるが。