学校のかたすみで華満がひとり、卵サンドに話しかけるように感想を語り、SNSに投稿していたところ、クラスメイトの高木に目撃される。次の日、気分が沈む華満をよそめに、高木は友人へ華満の行動を吹聴していたが……
山岡潤平脚本。説明台詞のようなひとりごとにツッコミが入る世界観だったのか……という導入の引っかかりが厳しい。華満がハイテンションな言動で周囲から距離をとられた幼少期の回想はキャラクターのギャップから奥行きを出していて良かったし、何が好きでもかまわないと助言するのがローズマリーなのも味わいがあるし、アニメチックな言動が揶揄の対象にされることは作品の想定視聴者の児童にも卒業できない大人視聴者にも資する内容であるとも思うのだが。
また華満の奇行を吹聴する高木こそがホラ吹きで、周囲との距離があるという転回も微妙なところ。クッキングダムのような異世界やプリキュアへの変身能力がある物語で、カッパなどが実在するわけがないというリアリティの線引きは難しいものがある。もちろんプリキュアと妖怪は雰囲気から異なるし、一方が存在すればもう一方が存在しないことが設定として矛盾するというわけではないが、しばしば妖怪を登場させてきたシリーズでは実感的に成立しづらい。
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青山充作画監督らしいレイアウトに貝澤幸男コンテでレイアウトがゆるくて古臭いことも残念。華満が無意識のように柱をよけて歩くカットなど、ところどころ面白い芝居はあったのだが。
