法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『わんだふるぷりきゅあ!』第6話 こむぎ、いろはとケンカする

 犬のこむぎは飼い主のいろはの役に立ちたいが、いろはは遊んでくれるだけ。たいせつな思い出のリードは、プリキュアに変身した時にアイテムとなって失われてしまった。少しずつ距離がうまれた一匹と一人だが、ガルガルがあらわれたことでプリキュアとして協力できる、はずだった……


 成田良美シリーズ構成の脚本に、頂真司のコンテ、そして他社作品で活躍している北島勇樹が作画監督
 ガルガルをプリキュアがまわりこもうとするアクションの奥行きが圧縮されたレイアウトが良い。全体的に重苦しさに終始したエピソードをデフォルメした作画で楽しく見せたことも良かった。
 今作のキャラクターデザインが描きやすいためか、全体の作画の印象もいい。北島勇樹はシリーズでは『デリシャスパーティ♡プリキュア』第30話で単独作画監督として参加していて*1、そちらはキャラクターを描きなれていないためか作画が特に良いとは思えなかったが、描線のタッチを変える手法は今回と同じく好印象だった。


 物語としては、役に立ちたいと思って空回りする犬はともかく、前回*2にアイテム化した思い出の道具がもとに戻っていない設定が意外で良かった。
 前回の時点でも新規アイテムの販促がドラマになじんでいることに感心したが、その新規アイテム化がキャラクターを傷つけるドラマとなって次回へつづく。ストーリーとしてはキャラクターがディスコミュニケーションを深めていく一方だが、序盤はこむぎの空回りをコメディチックに見せて、リードが消失したことによる衝突はガルガル登場でいったん断ち切って、プリキュア変身後は悟という冷静でいて親身な第三者を配置して、単調にならないよう起伏をつくってストレスも無駄にたまらないようにできている。
 ライオンのように犬より強い動物がガルガル化すればキュアワンダフルはおびえてしまうし、プリキュアらしいアクションが展開されるという強さの線引きもわかりやすい。敵幹部の登場までアクションらしいアクションはないかもしれないと思っていたし、なしくずしにガルガルと戦闘するようになってほしくないと思っていたが、これなら次回以降に強いガルガルとならはげしいアクションをおこなっても納得できる。
 前後編の前編が陰鬱になることはシリーズの恒例だが、今回は今作らしいバランスの良さが感じられた。