ハロウィンを楽しみにする皆のなかで、咲良うただけが沈んでいた。どうやらハロウィンのオバケ、特にジャックオーランタンが怖いらしく、幼年期にハロウィンの仮装大会に出た時も周囲を怖がってしまったという。そこで蒼風ななを中心に、咲良が恐怖を克服できるよう策をこうじるが……
シリーズ恒例のハロウィン回。綾奈ゆにこ脚本で、序盤に描かれたきりだった蒼風と咲良のささえあう関係を描く。カボチャ料理を楽しませてジャックオーランタンを平気にさせようとする料理技術を見せたかと思えば、バナナのかぶりものをするシュールな絵面でふたりの関係を深めたりする蒼風の奔放なキャラクターは楽しい。
敵幹部が子供たちにトリックオアトリートをしかけられて追いはらっても子供たちは楽しんだり、敵の怪物化の元となる暗い気分がしょうもなかったり、全体的に気軽なイベント回ではあった。恐怖をめぐる主人公がテーマになっているようでいて、あまりストーリーの要点になっておらず、恐怖を克服したことで敵を倒せたという成長劇というにはあっさりしている。先述のバナナのかぶりものも、ジャックオーランタンへの恐怖を完全に克服はできていないということだろう。恐怖という感情を否定しすぎるのも良くないので、これはこれで悪くないのかな。
作画監督は竹森由加とノエル・アンニョヌエボの共同。いつもより紫雨こころの頭身が高めで、ちょっと大人びた感じが出ている。最後のコスプレで優勝するのも納得。逆になぜか人間姿のプリルンとメロロンは通常より頭身が低め。